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開催日:1993-03-05 平成5年第1回定例市会(第3日) 本文
開催日:1993-03-05 平成5年第1回定例市会(第3日) 議事日程・名簿

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  1. 神戸市議会 1993-03-05
    開催日:1993-03-05 平成5年第1回定例市会(第3日) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時3分開議)  (小田議長議長席に着く) ◯議長(小田伍郎君) ただいまから本日の会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  日程によりまして,日程第1 予第1号議案より日程第50 第26号議案に至る平成5年度神戸市各会計予算並びに関連議案,合計50議案,一括議題に供します。  昨日に引き続き,質疑を続行いたします。  47番上井三郎君。  (47番上井三郎君登壇)(拍手) 2 ◯47番(上井三郎君) 私は,民社党神戸市会議員団を代表いたしまして,平成5年度予算並びに関連議案について,市長並びに関係当局に質疑をいたします。  我が会派は,市長に対する平成5年度の予算要望をするに当たり,現今の社会経済情勢にかんがみ,また神戸市の直面する課題について,従来の一般要望に加え,今回は特に緊急要望として3項目を取り上げ,その実現を強く要請したのであります。  その1つが,今,国,地方を通じ問われている不祥事を対岸の火とすることなく,真摯に足元を見つめ直し,市政信頼の維持向上に努めること。2点目は,国,地方を挙げての努力にもかかわらず,景気は一向に回復しないどころか,さらに深刻の度を加速しつつある現状から,その回復を期し,知恵と工夫を駆使し,全力で取り組むこと。3点目は,4月から開催されるアーバンリゾートフェアを,21世紀に向けた神戸市のまちづくりの飛躍のステップと位置づけ,その成功に全力を挙げることの3点でありました。  そこで,市長は本予算を編成されるに当たり,厳しい財政事情下ではあるが,市民生活向上のため事業の停滞は許されず,基金,市債の積極的活用を図り,当面する景気対策を中心に活力あるまちづくりに取り組むとの積極姿勢から,総額2兆 357億円余の積極型予算を編成されたのであります。先ほど申し上げました我が会派の緊急要望をはじめ一般要望につきましても,そのほとんどが実現の方向にあることとあわせて評価するものであります。  とは申せ,予算案を詳しく点検していく中で疑問点も散見されるところから,以下順次質疑をいたしてまいります。  まず,財政問題についてお伺いいたします。  ご承知のとおり政府・日銀は,2月4日公定歩合を 0.75 %引き下げ,過去最低水準の 2.5%とし,当然のことながら市中金利も低下するものと考えられるのであります。そこで,今まで本市では基金の運用益が財政に少なからず寄与してきた経過から考えますと,大きな問題と言わざるを得ません。加えて,基金の取り崩しによりその残高が減少している現状から見ましても,なおさらであります。また,基金の運用益を運営費に充当している施設など,運営に支障を来さないのか,これが一般会計の圧迫につながらないのかと心配もされるわけでありますが,市長は低金利時代を迎えての基金の運用についてどのようにお考えになっておられるのか,ご見解をお伺いいたします。  2点目でありますが,神戸市では西神地区に先端産業を誘致し,またポートアイランド六甲アイランドなどの埋立地には各種の企業を立地させ,いわゆる景気に左右されない多種機能型都市づくりを推進されてきたところであります。このことは,まさしく市長のおっしゃる税源涵養の基盤整備であり,神戸市の税収の確保といった面でも大きく寄与しているものと考えるのであります。そのような観点から見て,市長は平成5年度予算で市税歳入をどのように評価されておられるのか,お伺いいたします。  次に,景気対策についてお伺いいたします。昨日も関連する質疑がありましたが,直面する最大の課題と考えますので,お伺いいたします。  神戸市では,平成4年度予算の前倒し執行をはじめ,9月,11月には 673億円に及ぶ補正予算としては過去最大の公共事業の追加をし,あわせて中小企業向け融資制度の拡大など努力されてきたところであります。  しかし,本市の現況は,経済指標が示すとおり,デパートの販売額の対前年比減少や倒産件数も建設,卸・小売業を中心に増加傾向を示し,有効求人倍率も悪化の一途をたどっており,景気回復の気配は一向に感じられないのであります。加えて,最近では大学卒の採用を取り消すなど,社会問題にまで発展しておるのであります。  基本的には我が党が主張しております所得税減税などの国の施策が待たれるところでありますが,市長は本市が行ってきた景気対策の効果をどう把握されておられるのか,あわせて平成5年度の予算提案の中で景気対策についての基本的な取り組みの考え方について,お伺いいたします。
     2点目でありますが,景気対策の1つの柱として住宅費の増額が提案されております。6期5計の前倒し執行により,公営住宅 1,162戸を建設する計画であります。住宅建設には多業種のかかわりがあるところから,景気対策として有効であり,ぜひ実効あるものにしなければならないと考えるのであります。  そこで,5期5計の神戸市分について公営住宅の建設実績を調べたのでありますが,計画戸数 3,750戸に対して実績は 3,195戸となっており,率にして85.2%と目標を達成していないのであります。その原因はバブルの影響もあり,土地取得が難しかった結果だと聞いております。せっかくの景気対策としての目玉が計画倒れにならないように,土地確保について最大の努力が必要と考えるのでありますが,見通しについてお伺いいたします。  次に,アーバンリゾートフェアに関連してお伺いいたします。  アーバンリゾートフェアの開幕もいよいよ目前に迫ってまいりました。 350に及ぶイベントも計画され,私どもも長い本定例市会が終わり,春の陽気と桜の開花とともに訪れるフェアの開幕を考えますと,不景気をよそに何となく楽しい気分もわいてまいります。市民の皆さんはどうかとの心配もありますが,いずれにいたしましても当事者,関係者の今までのご努力に対し敬意を表するとともに,最後までのご尽力をお願いする次第であります。私どもも全力で取り組んでまいります。  そこで,お伺いしたい1点目は,このフェアは全市民参加のもとに,将来のまちづくりに資するための提言や提案をいただくのが1つの大きな目的であります。そこで,神戸市民に対しては全所帯アンケートで対応されるとのことでありますが,それと同様に市外からの来訪者やイベント,セミナーなどに参加された方々にもご協力を願わなければならないと考えるのであります。難しい面もあると考えるのでありますが,提言や意見の聞き方,集約やフォローの仕方など具体的にどのようにお考えになっているのか,お伺いいたします。  2点目でありますが,このフェアは期間中約 500万人の参加が見込まれており,当然のことながら消費経済の活性化の側面から,商業者をはじめ各業種の方々の期待も大きいものと考えるのであります。そこで,このフェアを契機として神戸市が景気回復の起点となるように積極的な取り組みが必要だと考えるのであります。商店街マップの作成や営業時間の延長等々,市内の商業者に対して神戸市が積極的な協力や指導,誘導を行うべきだと考えるのでありますが,いかがでしょうか。  次に,空港問題についてお伺いいたします。  1点目は,昨日私と同趣旨の質問がありましたので省略させていただきますが,しつこいようでありますが,建設認可の見通しについて,昨日の市長のご答弁や自民党幹部のご発言から類推いたしまして,私なりに神戸空港の建設計画は認可に向けて予定どおり順調に進展している,今後とも予定どおり順調に進展するであろうと受けとめておりますが,コメントがあればお伺いいたします。  さらに1つは,新関西空港の2期・3期建設計画と神戸空港の建設時期についての関連はどのようになっているのか,お伺いいたします。  次に,福祉についてお伺いいたします。  1点目は,敬老優待制度──寿パスについてであります。まず,笹山市長のぬくもりとやさしさの市政を実感できる思い切ったご提案を高く評価し,ご努力に感謝申し上げます。お年寄りの方々の喜ばれる顔が目の当たりに浮かびますし,また既に一部の方々にはお知らせをいたしましたところ,大変喜んでおられたことを申し添えておきます。私は北区の住人でありますが,長田箕谷線の平成6年度全通の暁には,ここにバス路線も新設するともお聞きいたしておりますので,利用機会増大の上からもまことに結構な二重の喜びであります。  さて,ここでちょっと考え方なり実施面でのことでお伺いをいたします。1つは,平成6年度からの一部有償交付制度に伴う年額3万円負担の基本的な考え方についてであります。  2つには,以前も議論になった経過もありますが,パスを紛失した場合の再交付等も考えた場合,半年定期券の発行も考えるべきだと思うのでありますが,いかがでしょうか。  2点目は,住宅改修助成モデル事業についてであります。我が会派は,お年寄りの方々のねたきり予防や身障者対策として,住宅改造について公費負担を提言してまいりました。同種先進他都市の視察を行うなど,熱心に取り組んできた経過から,本提案は一歩前進と受けとめております。しかし,実施の面で少し疑問もあると考えますので,お伺いいたします。  その1つは,対象が非課税世帯となっていることであります。最初のモデル事業でありますhから,当局のお考えはわからないでもありませんが,これでは利用者が少ないのではないか,したがってモデル事業としてのデータも集まらないのではないかと懸念するのであります。いきなり全世帯に対象を広げることは,財政の面からも無理からぬことだと考えますが,所得の面からだけでなく本人の障害の程度なども考慮に入れたきめ細かい対応が必要だと考えるのでありますが,いかがでしょうか。  その2つは,限度額50万円についてであります。私どもが視察いたしました都市での改修に要する平均単価は70万 8,000円,最高が 392万 4,000円でありました。提案の50万円でどの程度の改造ができるのか,懸念するところでありますが,ご見解をお伺いいたします。  次に,昨日の質疑と関連いたしますが,新市民病院経営計画についてお伺いいたします。  市民病院経営計画委員会の報告書では,市民病院の現状と課題,果たすべき役割に基づく経営基盤の確立など,詳細な報告が行われ,これを受けて平成4年度を初年度とする5カ年の経営計画が提示されております。それによりますと,収支改善はそのほとんどが負担区分の見直しによる一般会計からの繰り入れ増によるものであります。ちなみに平成5年度から平成8年度までの4カ年で63億円余の繰り入れ増となっているのであります。理解する部分もありますが,正直に言って一般会計におんぶにだっこの印象を強く受けるのであります。一方,経営努力については,基金運用益の活用がほぼ半額を占め,病院一体となっての真の経営努力について疑問なしとしないのであります。以上申し上げましたことについてのご見解をお伺いいたします。  次は,住宅施策についてお伺いいたします。  神戸市の住宅融資は,公庫融資を受けられる前提条件があり,その条件に合わなければ融資は受けられず,銀行ローン等に頼るしかない現状であります。そこで,同条件に満たない物件の融資について,神戸市独自の融資制度創設を我が会派は提言してまいりました。昨年第4回定例市会でもこの問題を取り上げ,小川助役からは「貴重な提言である。社会情勢も変化している中で,国へも制度改革を要求するとともに,本市独自制度の研究を進めたい。」とのご答弁があったのであります。期待に反し,残念ながら本予算の中に反映されていないのでありますが,取り組みの経過なり今後の取り組みについて,お伺いをいたします。  2点目でありますが,本予算案では,中間所得者層対策として特別優良賃貸住宅積極的供給や持ち家1次取得者への融資増大など,その取り組みは評価するものであります。しかし,私が接する一般的サラリーマンは,当初負担を少しでも軽減してもらいたいとの声が多いのであります。当初負担とは,自己資金と融資額を合計したものを言っているのであります。  そこで,以前我が会派が提言し,まだ実現には至っておらないのでありますが,地価を売り値に反映させない,いわゆる土地借り上げ方式を再度検討していただきたいのであります。例えば神戸市が西神でやっております民間事業コンペの中で,企業の応募条件の中に入れるなど考えられると思うのでありますが,いかがでしょうか。  次に,フリーゾーンについてお伺いいたします。  この件につきましては,我が会派は昨年の9月市会で提議し,11月市会においても経済面からの論議を深めてまいりました経過から,本予算案で調査費が計上されていることは一歩前進と受けとめ,喜んでおります。と同時に,成功に対する大きな責任も痛感するところから,先日もたまたまテレビで沖縄フリーゾーンの経営上の問題や再構築に関しての放映がありましたので,急遽沖縄に調査のために出張するなど取り組んでまいったところであります。それらを踏まえ,以下,お伺いをいたします。  まず,フリーゾーンを設置することによるメリットを行政ベース面で,また民間ベース面でどうとらえておられるのかということであります。私どもは港勢の拡大や貿易の振興,さらには世界への情報発信基地ともなり得るなど前向きの評価をしているのでありますが,どうでしょうか。  2点目は,沖縄フリーゾーンの現状をどう分析されておられるのかということであります。私どもは沖縄を調査し,トータルとしてのバックグラウンドで神戸市との差異の大きいことを知ったのであります。1つには両市では貿易の歴史が違い,神戸市には蓄積されたノウハウがあること,2つには神戸市では陸海空のアクセスが整っていること,3つには沖縄に比べ消費面でのバックグラウンドが大きいこと,4つには交易に関係のある金融機関や外国公館などの機関が多いことなどであります。以上,沖縄フリーゾーンの現状に関連して,神戸市の立地の有利性を述べ,沖縄における課題は克服できるものと考えておるのでありますが,ご見解をお伺いいたします。  3点目は,現行制度での問題点についてであります。これは沖縄においても,また仮に神戸市に設置したとしても共通する課題であると考えるのでありますが,現在のフォーリン・トレード・ゾーンの税制は,税制の面で多少の優遇措置はあるものの,基本的には保税地区と何ら差がないと考えるのであります。また,輸入品目制限などの制約があり,保税工場としての有利さがないなどの課題があります。これらを解消することが必要だと考えるのでありますが,この点についてお伺いをいたします。  最後に,教育問題についてお伺いをいたします。業者テスト問題への対応についてであります。  新聞報道によりますと,去る2月22日文部省は,全都道府県,同教育委員会に対して,偏差値体制を助長する業者テストへの中学校教職員の関与や,偏差値による進学先振り分けを禁止する次官通達を出したとのことであります。各都道府県の反応もさまざまなようでありますが,神戸市教育委員会ではこれをどう受けとめておられるのか。また,来年進学期に向けて進学指導の検討を行われると考えるのでありますが,方針なり取り組みについてお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 3 ◯議長(小田伍郎君) 笹山市長。 4 ◯市長(笹山幸俊君) 上井議員のご質問に私から数点お答えを申し上げまして,他は助役等から答弁を申し上げます。  まず,財政問題でございますが,特に基金の低金利時代に入ってまいりましたので,これにつきましての有効な方法はどうか,こういうご質問でございました。これにつきましては,後ほど理財局長からその方法論につきましてお答え申し上げますが,まずやはり有利な機関決定をやる必要があろう,こう思います。また運用のやり方,こういった問題も検討をしていきまして,できるだけ金利が低下をしたための影響を少なくするという方法をとっていきたい,こう考えております。  それから,企業誘致に対しましてどれだけの効果があったか,こういうご質問でございますが,神戸市の場合は,ご指摘がございましたように多種機能型の複合都市をつくろうということで現在までやってまいりましたが,これはそういった経済状況が変化をする中で,まあいえば足腰の強い産業構造を持った都市であってほしい,こういうことでございます。  そういうことで,今までポートアイランドなりあるいは西神工業団地あるいは六甲アイランド,こういった開発をしてきておりまして,そこにそれぞれ企業誘致をしてまいったわけでございます。実際の税収の効果として,従業員といいますか就業者が増を来しております。それによります市民税,そういうものもふえてくるわけでございます。それから,企業が進出をしていただきますと,これから発生します法人市民税あるいは固定資産税都市計画税,事業所税,こういったものが税収として上がってまいります。  そういうことで,平成5年度の税収は全体的に減ったわけでございますが,今までに開発事業で住宅団地あるいは工業団地,こういったものについて開発をしてまいりましたが,トータル的にそれらが新しくできた宅地について税収として,今まで通常大体 250億ぐらいの税収増になっております。これは比較論でございますから,もしやらなかったらということと,これをやったためにこれだけふえた,こういう言い方になりますが,約 250億。最近ハーバーランドが開村──開村といいますか,新しくでき上がってまいりましたが,これを見ても見込み額としても約30億というような数字が出てまいります。そういうことで市税の大体9%ぐらいのシェアを占める,こういうことでございますので,やはりこういった面から見ましても,税収の安定的な確保を図るための事業というものは,税源の涵養の面からいきましても必要ではないか,こういうぐあいに考えております。  それから,景気対策の問題でございますけれども,ご指摘がございましたように昨年市会のご同意を得まして,相当の増額補正をさせていただきました。これにつきましては,もちろん中小企業に対します──細かい話でございますけれどもいわゆる前払い制度,こういったものもそれぞれ1億ほどふやしたりいたしております。これは,まあいえば国の方の景気対策と連動しておるような格好でございますけれども,神戸市としても他都市との均衡もありますので,相当増額をさせていただいたわけでございます。もちろん融資枠,そういったものも拡大をいたしております。そういうことで,すぐに効果があるかないかという問題もございますけれども,公共事業につきましては順調に契約も進んでおります。融資も,昨年に比べまして同月──1月なら1月の統計を見ますと,前年度を上回っておる,こういうような格好で出ておりますので,景気の下支えというようなことも効果があったんではないかな,こう思っております。  この経営の安定にどういうぐあいに役立ったかということは,まだまだはっきりしない面がございますけれども,こういった効果がそろそろ出てくる時期になったな,こう思っております。といいますのは,新年度にかけまして徐々に効果があらわれてくると期待をいたしております。これは5年度の4月から中小企業向けの工事も相当ございますので,そういったものが発注されますと,効果そのものも出てまいろうかと思います。  ただ,今までいろいろと過去に例があったわけでございますが,この補正予算の分と新年度の分とが,ちょうどダブってきます時期がございます。4月に相当量発注しますと,前年度の補正の分がぶつかってきます。そういうことで,中小企業の皆さん方に過去言われたことがあるんですが,そういったたくさん工事を出してもらうのはいいけれども,平準化をしてほしい。これは一遍に固まって参りますと,仕事が受けられないというような問題も出てきます。一時そういう時代があったわけでございますが,例えば急に資材が上がったり,あるいは労務者の関係の賃金が上がってくるとか,こういう問題を逆に引き起こす危険性がありますので,そういった問題は十分注意をして,できるだけ平準化をして,それも地元の中小企業向け工事そのものもよく考えて発注してほしい,こういう希望がありますので,これも過去にあった実例を参考にしまして,できるだけそういう混乱を起こさないように気を配っていきたい,こういうぐあいに考えております。  それから,アーバンリゾートフェアについてのいろんな提言あるいは提案,こういったものをいただくいい機会としたい,こういうことでフェアが行われるわけでございますけれども,特にアンケート調査もやりますけれども,専門家の方が相当おいでになると思います。そういった意味から,会議あるいはシンポジウム,そういったものもたくさんございますので,そこでは必ずアンケート調査をさせていただくということでございます。それから,地域単位の分から国際会議も中に入ってまいっておりますので,そういった面,幅広い意見も出てこようかと思っておりますので,そういった意見が出た場合には,そういった意見集約をやっておきたい,こう思っております。それから,アドバイザーの方もございます。こういった方にそれぞれアンケート調査を予定いたしております。  それから,インフォメーションセンターには提案用紙,こういったものも備えつけまして,おいでになった方々に後ででも結構ですから書いていただいて郵送していただく,こういう方法も考えておりますし,直接電話していただけるような専用電話もつけておきたい,こういうことを考えておりまして,できるだけ幅広いご意見なりをいただこう,こういうことでございまして,これが神戸のまちづくりに,また他都市からおいでになった方々のまちづくりのためにも参考になればと,こう考えております。  それから,空港の関係でございますけれども,昨日もお話申し上げましたが,今ございますいろんな課題について,それの解決のための調査あるいは検討,そういうものをさせていただいております。その見通しが立ち次第,お話が具体化に入ると思いますけれども,要は新規事業に入れていただくというための努力をしていきたいと思います。もちろん運輸省はじめ関係省庁については,それぞれの問題点について理解をしていただく努力をしていきたい,こう思っております。  この問題につきましては,先日,政府あるいは自民党の幹部の皆さん方がおいでになったとき,前向きの発言があったわけでございますが,これにつきましての私自身の考え方ですけれども,受けとめ方でございますが,これは地元を挙げて非常に熱心に取り組んでこられたということについて,ご理解をいただいたというものでございまして,大変そういう意味では心強く受けとめております。  それから,関空の問題でございますが,これは全体構想ということでいろいろ今,運輸省あるいは関空会社,それから大阪府下あるいは推進団体,そういったものでいろいろと議論をされておりますが,いわゆる関西空港はやはり国際的なハブ空港ということが目標でございまして,これについて今後どうやっていったらいいかという議論でございますが,このハブ空港ということになりますと,大阪空港は国内の基幹──幹線空港でございます。それで新しい神戸の場合は都心型の空港ということで,国内空港になっております。  ですから,それぞれ機能分担が可能ということになります。ハブ空港があって,国内の基幹の空港と,あるいは神戸のような近距離輸送のための都心型の空港,こういった考え方というのは外国にもたくさん例がございますので,そういったものでお互いにその持っておる役割,そういうものを今後利用者の利便のための空港にそれぞれがうまく機能していくということが大事ではないか,こう思います。特にこういった機能を発揮いたしまして,近畿圏──関西圏といいますか,これの発展のためには非常に有効に働くんではないか,こう考えてお願いをしておるところでございます。もちろん関西空港についても,全体構想ができるだけ早く動き出すということも大事なことではないか,こう考えております。  以上,私からご答弁申し上げました。他は助役等から答弁をさせていただきます。  (「議長」の声あり) 5 ◯議長(小田伍郎君) 緒方助役。 6 ◯助役(緒方 学君) 私から数点ご答弁申し上げます。  まず,第1点でございますけれども,アーバンリゾートフェアをきっかけとして消費経済の活性化といいますか,そういうことを図るための商店街対策でございますけれども,アーバンリゾートフェアにつきまして,わかりやすい案内マップ等は,別途作成・頒布されるわけでございますけれども,商店街マップにつきましては,広域型の商店街の販売促進というような形で有効でございますので,5年度で神戸市全域の商店街・市場を網羅した小売商業地図の改訂版を出したい。従来から持っておるわけでございますけれども,そういう改訂版をこのアーバンに合わせて出していきたいと考えております。  それから,都心商業関係では,PR用のものを別途作成して,そういうようなPR活動も業界と一緒になってやりたい,そういうふうなことも考えております。  それから,個別の商店街でございますけれども,これは商店街独自でいろいろと工夫されておりまして,承知している範囲内では約10件ぐらい,そういうような商業振興策を進めるということで出されておりまして,そういう意味でも今後私たちもいろいろとご指導できればしていきたいと考えております。  それから,商店街の営業時間の延長でございますけれども,都心商業の夜のにぎわいをつくり出すというようなことで,かねてからいろいろと議論もあるわけでございまして,これもこのアーバンリゾートフェアをきっかけといたしまして,商店街等に対しましてこれの要請を既にいたしております。そういうことで,大型店,小型店,それぞれ取り組みが若干違うようでございますけれども,協力依頼を既に行いまして,オープンに向けまして重ねて呼びかけをしてまいりたい,そういうふうに考えております。  それから,第2点,福祉施策でございますけれども,敬老優待乗車制度についての2~3のお尋ねでございます。  平成4年11月に敬老等優待乗車制度検討懇話会から報告書が出されまして,この制度の将来に向けた対応として幾つか提言されております。1つは,ほかの高齢者福祉施策との均衡を図りながら,高齢者福祉全体の維持向上に努めるべきであるというようなこと,高齢者福祉全般を考えるべきであるというようなこと。それから2つ目は,今後高齢者が飛躍的に増加することから,敬老等優待乗車制度のコストアップは避けられず,これを負担する者が許容できる範囲内の負担でなければ,制度そのものの存立が危ういということ。それから3点目は,そういうことがありますので,経費面におきまして,所得制限や有償交付制度など,市民の合意の得られるような配慮を加えるべきだ,そういうような主に3点の提言がございます。そういうような趣旨を一応尊重いたしまして,この制度を長期的・安定的に存続させるとともに,高齢者福祉サービスの総量の拡大を図るために,負担能力のある方には必要最小限度の個人負担を求めることとしたい,そういうふうに考えているところでございます。  それから,負担をお願いしている額,今のところ3万円でございますけれども,これは負担金の総額を対象者数で割った数字でございまして,いわゆる制度にかかる1人当たりの実費といいますか,そういうもので3万円という数字が出てまいっております。  そういうことである程度の負担をお願いしておるわけでございますけれども,次のご質問としてはいわゆる再交付ができないか,あるいは半年ごとの交付ができないかということでございますけれども,再交付につきましては,これは従来からもいろいろとご議論があったわけでございますけれども,いわば有価証券的な性格があるわけでございまして,こういうたぐいのものはほかでも再交付されておりません。そういうことで再発行はこれまでもやっておりませんし,これからもちょっと難しいんじゃないか,そういうふうに考えておりまして,適切なご利用といいますか,管理といいますか,そういうものをそれぞれの利用者の方にお願いしたいと思っております。  それから,半年ごとの交付でございますけれども,対象者が現在つかんでおります数で16万 8,000人ということで,膨大な数になるわけでございまして,その事務に要する労力,費用,大変なものでございますので,これも現段階では非常に難しい,そういうふうに考えております。  いろいろ紛失その他やむを得ない事情等もあるわけでございますけれども,そういうようなケースにつきまして,ケース・バイ・ケースで対応できるものは親切に対応していくべきであるわけでございますけれども,以上原則的なことを申し上げましたが,再交付,半年ごとの交付は大変難しいということをご答弁申し上げたいと思います。  それから,次は中間所得層対策としてのいわゆる土地借り上げ方式の分譲はできないか,特に民間コンペ等で取り入れることはできないかということでございますけれども,民間の事業者におきまして,土地に一定の借地権を設定して住宅を販売するというようなことが一般にあるわけでございますけれども,一般的には借地権つき分譲というようなことで言われていると思います。この方式は,先生おっしゃるように初期の住宅購入資金調達の低減を図るメリットがあるわけでございますけれども,その反面一定の借地権料及び借地料が必要となる,あるいはまた土地への担保価値がないために融資が受けにくい等のデメリットがございまして,なかなかコマーシャルベースにも乗りにくいし,エンドユーザーといいますか──にとっても魅力が余りないんじゃないかということが一般的に言われていると思います。  ただ,新住宅市街地開発法──開発局がとっております西神のニュータウン等の手法でございますけれども,そういう手法による宅地造成の場合は,貸主が新住事業施行者──この場合は市になるわけでございますけれども,市であるか,あるいはまたコンペ事業者であるかを問わず,住宅地のリース方式を導入することは新住法の建前上できないということになっておりますので,少なくともその新住法施行の土地についてはできない。しからば,ほかのところでできるかという問題があるわけでございますけれども,前段申し上げましたように事業として──どういいますか,成り立つかどうかという問題があろうかと思いまして,従来も申し上げておりましたが,研究課題じゃないかと思っております。  それから,次はフリーゾーンの問題でございますけれども,フリーゾーンを設置することによる行政ベース面あるいは民間ベース面でのメリットはどう考えているかということでございますけれども,いわゆるフリーゾーンとしては,ご指摘のアメリカのフォーリン・トレード・ゾーンあるいはハンブルク港の自由港区等が有名でありまして,大きな成果を上げていると聞いております。  我が国におきましては,まだフリーゾーンは制度的に認められておりませんが,昨年関税法の改正で,従来の保税制度から一歩進んだ総合保税地域制度が創設をされまして,現在この制度を地域振興にどのように活用できるか,研究を行っているところでございます。総合保税地域制度の活用によりまして,市としても企業誘致の促進や貿易促進などのメリットがあるわけでございます。そしてまた,民間ベースでも関税上の優遇や手続の簡素化,そういうことのメリットがあるわけでございますので,その実現方を期待しているところでございます。これからそういう地域をつくるということになりますと,我々といたしましてはポーアイ2期ぐらいかなと,そういうふうに考えておるところでございます。  それから,フリーゾーンにつきまして,沖縄のフリーゾーンをどう評価しているかということでございますが,沖縄の自由貿易地域は,沖縄振興開発特別措置法によりまして設置されたものでございますが,ご指摘のとおり後背に大きな市場がなく,交通アクセスが余りよくない,そういうようなことで余り繁盛していないんじゃないか,そういうふうに伝えられております。  神戸市の場合は,近畿圏という大きな市場あるいは広大なヒンターランドと直結する交通アクセス,世界と結ぶ充実した航路網など,有利な条件が備わっておりますので,総合保税地域制度の活用により大きな成果が期待できるんじゃないかと考えております。先般ご報告申し上げましたように,輸入促進地域といいますか,FAZといいますか,その地域指定も予定されておりますので,そういう制度とあわせて活用していけばメリットが大きいんじゃないか,そういうふうに考えております。  ただ,問題がないわけじゃございませんで,ご指摘のように総合保税地域制度は,従来の保税制度と比べまして一歩前進したものだと考えてはおりますけれども,輸入原材料に関するいわゆる選択課税が認められない,保税確保のメリットが十分に活用できない制約,そういうことがあるのも事実でございまして,今後ともこの総合保税地域制度が十分な効果を上げることができるよう,関係当局といろいろ協議,話し合いを進めてみたい,そういうふうに考えているところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 7 ◯議長(小田伍郎君) 小川助役。 8 ◯助役(小川卓海君) 3点にわたってお答え申し上げます。  まず第1点は,景気対策としての住宅建設でございます。  ご指摘のように住宅建設,住宅投資は市民の福祉の向上とあわせて最も即効性のある,景気対策としては即効性のある公共事業であると受けとめております。新年度ではそういう意味もございまして,住宅費を大幅にアップして予算計上いたしました。5期5計ではご指摘のように82%という充足率で終わりましたけれども,今回の3年度から始まっております6期5計では,5期5計をさらに上回りまして 4,750戸を予定いたしておりまして,単年度では平均 950戸が目標でございますが,平成5年度予算ではご指摘のように 1,162戸を計上いたしまして,前倒しというか,6期5計を5期5計のようなことにならないように, 100%消化するという基本方針でおるわけでございます。  最近の地価の動向が,ある意味では我々にいい方向になっておるわけでございますので,この地価動向というものを有利に展開いたしまして,5計はもちろん,可能なればそれ以上のものも実行していきたい,このように考えております。確かに地価は少しずつ下がってまいりましたけれども,やはり民間の地主さんの皆さんと私たちの希望価格との間には,依然として大きな差がございまして,売却の申し出がありますけれども,なかなか値段が合わないというのが私たちの大きな1つの問題でございます。  しかし,今後いろんな情報を十分活用するとともに,企業の跡地あるいは旧国鉄の処分地も多少まだ市内に残っております。さらには,民間所有者との併存方式,つまり特定優良賃貸住宅──従来の地域特賃A型でございますけれども,そういうような手法もフルに活用してまいりたいと思っております。したがいまして,当面6期5計の完全達成を目標に平成5年度も頑張ってまいりたいと考えております。  第2点目は,新市民病院経営計画についてのご指摘でございます。新しい経営計画は,一般会計からの繰り入れの増,さらには経営努力の中でも基金運用益等を活用して,必ずしも計画がシビアな経営計画ではないんではないかというご指摘でございます。  中央市民病院がポートアイランドに移転いたしまして,既に12年が経過いたしまして,この間病院関係者,院長以下,経営の問題というのは常に頭の中にございまして,市民医療を守る中で,やはりこの基礎となる病院の経営が最も重要であるという認識のもとに今日までまいりました。  今回の第3次の経営計画の中で,やはり病院の位置づけというものをどういうふうに考えていくのか,市民の医療としてどうしても必要な高度医療,救急医療等を中心にやはり市民病院が受け持たなければならないんだ,民間とは違ったレベルの医療を担当するという責任をまず改めて確認いたしました。そして,この病院が,やはり経営は苦しいけれども,市民の皆さんにとって大事な医療の資源である,医療資源である,日々の患者さんの治療もありますけれども,市民全体の1人1人の皆さんの生命と健康を守るための1つの担保として必要な,絶対に必要な施設であるという認識を再確認いたしました上で,次なる5カ年の経営計画を立てたわけでございます。  とにかく資金ショート,不良債務だけは絶対に──平成4年度の決算では残念ながら資金ショート,不良債務が発生いたしますけれども,5年度ではこれを解消していこう。8年度──今期計画の最終年度では,不良債務は多少残りますけれども,償却前では黒字にしていこう,こういうふうな計画のもとに現在進めております。  病院の位置づけを明確にすることによりまして,一般会計も苦しいわけでございますけれども,高度医療,救急医療等を中心に年間約14~15億の一般会計負担を増額いたしまして,これはご指摘のように一般会計に大きく依存しているということについては,ご指摘のとおりだと思いますけれども,先ほど申し上げました,改めて病院の位置づけというものを評価いたしまして,一般会計から14億ないし15億,単年度で繰り入れるようにしたわけでございます。  問題の院内における個々の経営努力の問題ですけれども,今のところ経営努力で年間1億程度を生み出そうと──全体の額からしますと軽微な額でありますけれども,ここ10数年,病院関係者が大変な努力を積み重ねてまいりましたけれども,これ以上どこを削るところがあるのかというのが,一生懸命やってくれている病院の関係者の声でありまして,病院をつぶすんだったらともかくも,やっていく以上は今の努力は最大の努力であるというふうな声が出ております。  私は,まだ経営の努力の余地はあるということをその場合言っているわけですけれども,今後も,今回上げておりますような約7億程度の診療報酬請求の査定減を避けるようにすること,それから特3類の病棟の拡大,それから経費の節減等々ございますけれども,この現在立てております経営計画,自主経営努力の以外にもっとあるだろう。例えばもっともっと医業外収益の確保を考えられないか,医療機器のもっと計画的な利用,例えば中央と西とが融通し合ってやっていくというような効率的な経営,医薬品の調達についてももっと効率的なことができないか,物品管理あるいは電気,水道──水一滴にしてももっと節約できないかということを申しておるわけでございまして,今回の経営計画を踏まえて各病院でさらに経営計画委員会──末端の職員,第一線の職員にも参加していただいて,そのような努力をして,第3次の経営計画が達成されるように努力してまいりたいと考えておりますので,ご理解を賜りたいと思います。  最後に,住宅政策の中の独自融資の問題でございます。  ご指摘のように,昨年貴重な提言をいただきましたので,直ちに検討してまいりましたけれども,平成5年度予算の上でそれを反映させるまでには至りませんでした。やはり神戸市の独自融資ということになると,いろんな技術的な問題もございます。ただいまは公庫融資に対する追加融資といいますか,付帯融資というものをたくさんいたしておりますけれども,最初から金融公庫の融資ゼロで神戸市独自で 100%融資するということについては,大変に難しい問題があるということをこの間に認識したわけでございます。  今後,金融機関等とも十分協議して,できるだけその可能性を探ってまいりますけれども,やはり問題の大きな点は, 100平米未満の土地ということになりますと,居住環境,宅地の細分化──ミニ開発というものを促進することにならないかということ。それから協調融資の場合は,やはりその宅地の市場流通性といいますか,担保としての価値の問題等もございまして,金融機関が大変その点を渋っておるわけでございます。  いろんな問題がございますけれども,今後国そして金融公庫の融資条件の緩和等も踏まえまして,特に地域性──全市的に一律に考えないで,都心の地価の高いところについて 100平米未満についても対象にするという地域特性等も要望しながら,今後引き続き検討してまいりたいと思いますので,この点についてもお許しをいただきたいと思います。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 9 ◯議長(小田伍郎君) 福尾教育長。 10 ◯教育長(福尾重信君) 業者テストに関しましてご答弁申し上げます。  中学校の生徒に対しますいわゆる業者テストでございますが,実施をいたします目的と結果をどのように使うかということをめぐりまして,教育関係者の意見が分かれておるところはご指摘をいただいたとおりでございます。  一例を申し上げますと,業者のテストの結果を高校入試に使用することは,学歴社会が生み出したところの偏差値偏重を助長するものでございまして,生徒の能力,適性,進路希望等にこたえるものではない。また,中途退学や不本意入学の結果にもつながるのでこれは廃止すべきだ,こういう意見がございます一方,業者テストというのは広範囲に行われるものでございますから,そこから得られるところのいわゆる偏差値は,生徒を確実に合格させるための客観的な資料として保護者や生徒の期待にこれまでこたえてきたではないか,こういう意見も一方ではございます。  こういった意見の分かれます中で文部省は,去る2月22日でございますが,過度の受験競争から脱却を目的に,平成6年度の入試に向けて,事実上廃止の通知を出したのでございます。まだ現物は私どものところへ届いておりませんでして,県教委のところへ届いたという情報は受けております。  この何といいますか,業者テストの行われている様子,あるいはそれの利用の仕方というものは,全国的に見ました場合に,地域によって相当その依存度が異なっておるのが現実でございますが,神戸市の各中学校は,これまでは進路指導をいたしますための資料の一部といたしまして,これを利用してまいりました。しかし,今考えてみますと,これが絶対にそれについて必要なものであるか,そういう要件でもないではないかという反省に立ちまして,これを今後は利用しないことにしようと,ただいま考えているところでございます。  そういたしますというと,結果といたしましては,高等学校入試に当たりまして,進学をいたします中学生のいわゆる受験校選定の客観的な資料というものは失うことに実はなります。そのために,生徒や保護者の期待にこたえられる何らかの方法というものはやはり必要ではないだろうかということも考えておりまして,これから学校の関係者とも相談し,検討して,どのようなことをすれば当人並びに保護者等が満足できる資料が得られるかというようなことも検討してみたいと,ただいま思っております。具体的な点は今後の検討課題になろうかと思います。  これは市の教育委員会のみならず県教委との関係でも十分課題となるものでございますので,県教委との間でも能力,適性に応じて,特に県立の高等学校での入学試験の方法等もかかわってまいりますので,この点は両者とも,我々とも検討の対象にして研究をしてみたい,そのように考えておるところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 11 ◯議長(小田伍郎君) 前野理財局長。 12 ◯理財局長(前野保夫君) 基金の運用についてお答えいたします。
     現在の景気でございますが,依然として低迷状態を続けております。これを背景に金融緩和が続いておりまして,平成5年度中も一進一退しながらも,低金利の状況が継続していくのではないかというふうに考えられております。  本市の資金運用でございますが,例えば短期運用商品の中心である大口定期預金,これを例にとってみますと,平成3年度の平均運用利回り,これが 7.46 %でございましたが,平成4年度では4%台半ばと,かなり落ち込む見込みでございます。ただ,こういった状況にございましても,高金利時代に長期債を購入したことにより,ある程度金利低下のリスクを軽減できているのではないかというふうに考えております。  現在,長期債は利回りが低うございます。したがいまして,新規に購入できる状況ではないわけでございまして,当面は短期運用を中心とせざるを得ないというふうに考えておりますが,その際にはより有利な運用結果を得るために,引き合い対象行の間で競争させるといった,いわゆる競争原理を最大限に活用することにいたしております。  今後とも長短金利の動向を見ながら,先ほど市長も答弁いたしましたように,最も有利な機関設定,あるいは最も有利な運用手段を検討し,効率的な運用に努め,当面の金利低下の影響を極力少なくするように努力いたしたいというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 13 ◯議長(小田伍郎君) 田中民生局長。 14 ◯民生局長(田中保夫君) 福祉施策のうち住宅改修モデル事業について,お答えいたします。  在宅福祉を進める上で障害者や高齢者の方に,より安全で快適な生活を送っていただく,そういうことで障害者や高齢者の方が,日ごろから住みなれた地域や家庭で,そういうことでお暮らしいただくために住宅改修を必要とする場合がございます。そのために作業療法士や建築関係者などで構成されております専門チームが相談に応じましたり,また必要があれば訪問調査を実施いたしたいと存じております。新年度は住宅改修モデル事業として行いまして,今後の住宅改修の制度化を検討しようとするものでございます。  今回のモデル事業は,所得税非課税世帯を対象としておりますが,今後の制度化に当たりましては,多くの方々が有効に制度を利用できますよう,また自己負担額等の基準も含めまして検討してまいりたいと存じております。  今,既に事業化をしている各都市がございますが,そういう状況を見てみますと,改修の箇所別の平均の所要額は居室で──部屋で約13万円でございます。それから,浴室で約10万円となっておりまして,複数の箇所を組み合わせましても,今回設定いたしました助成限度額で,その範囲内で何とか対応ができるんじゃないかと思っております。  以上でございます。  (「議長47番」の声あり) 15 ◯議長(小田伍郎君) 47番上井三郎君。 16 ◯47番(上井三郎君) それぞれご答弁をいただきまして,余り再質問はないわけでありますけれども,先ほど景気対策でお伺いをいたしまして,市長の方からは中小企業融資ですか,それの申し込みの傾向といいますか,それらはほぼ順調ではないかなというふうなお話がございました。  それで,中小企業向けの融資の本年度の予算といいますか,それを見てみますと,平成4年度の当初予算と平成4年度の補正,この2つを合わせた程度の額──程度と言ったらちょっとぐあい悪いですが,その辺の中小企業向けの融資の額だと思っております。予算に計上されております額はその程度ではないかなと思っておるんですが,けさの新聞にもありましたけれども,各企業,特に大企業等々でありますけれども,設備投資が69年以後最大の減少で対応しておる。要するに設備投資が今後ほとんど最低の状況で推移していくというような感じの報道がありまして,そうなりますと景気回復もますますこれは難しいんではないかな,おくれるんではないかな,そのような危惧がするわけでありますけれども,そうなりますと,今当初予算で中小企業向けの融資額を決めて予算化しておられますけれども,そのような推移を見る中で,柔軟な対応といいますか,財政の方がどうかと思いますけれども,柔軟な方法でまた年度の途中なりでも対応する必要があると思うわけでありますけれども,この辺はどうだろうかということで再質問をしておきたいと思います。  寿パスで,いわゆる半年定期を考えていただきたいというようなことを申し上げたわけでありますけれども,先ほども申し上げましたけれども,お年寄りの方ですから,ちょいちょい紛失をされるということで,基本的には再交付はできないという方向で進まれるようでありますけれども,例えば3万円の負担で買われた人の場合なんですが,交付を受けて1カ月ですぐなくした,例えば半年でなくした,そうなった場合,あとまた3万円出すのか,あるいは半年後でしたら1万 5,000円でいいのか,そのような問題もあるような気がいたしますので,その辺は詰めておられるのかどうかわかりませんですけれども,もしわかっておればお聞かせを願いたいと思っております。  それから,住宅改修のモデル事業でありますけれども,私どもも視察に行ってまいりました。先ほどは平均で70万と言いましたが,実は最低は1万 5,000円ぐらいで,それは言わなかったんですが,そういうことでありました。先ほども浴室改修で10万円ぐらいでできるだろうとおっしゃっておりましたけれども,それはそういうことになるかもわかりませんですけれども,私が思っておりますのは,今後はそういう方向で──モデルの結果で今後はそのような方向になると思いますが,いわゆる所得だけではなく,症状の程度なり,それらも考慮していただきたいと思いますし,またその負担も一応3分の2ということになっておりますが,所得によってはそれを2分の1とか,そのように傾斜をさせて負担をしていただくというような方法もあるんではないかな,そのようなことも思っております。  時間もそうありませんので,以上3つ,できましたらお答えを願いたいと思います。  (「議長」の声あり) 17 ◯議長(小田伍郎君) 笹山市長。 18 ◯市長(笹山幸俊君) 融資枠の問題ですが,これは確かにご指摘がございましたように状況変化というのがあろうかと思います。これは見通しがちょっとわかりにくい現状でございますんで,今のところそういった格好にしておりますが,変化があれば,また社会的なといいますか,要請というのがあろうかと思いますが,そういったものがあった場合には補正をさせていただきまして対応したい,こう考えております。  それから,いわゆる定期の話ですけれども,これはやはり確かにきょうもらってすぐに落としたというようなこともないとは言えませんが,それはひとつまた先ほど答弁をしておりますように,そのケースによっては検討させていただきたいと申しますのは,それを悪用される方がおられますんで非常に心配をしておるわけです。なくしたということで2枚をもらうということもあり得るわけですから,この辺はそれぞれの方の良心といいますか,そういったことで対応させていただかないと,全部ということになりますと,極端な話で先ほど申し上げたようなことになり得るわけでございますんで,この辺は慎重にさせていただきたいと思います。  それから,住宅の補修の問題ですけれども,これも私自身査定の段階で,こういったモデル事業ということではなしに,またどういうことをやったらいいかとか,そういう議論をするということはもう既に遅い。高齢者の問題もありますし,それからもちろん障害者の皆さん方にとって建物というのは,住宅というものは──また道路問題も実際にはございます。道路の勾配とかそういった問題も実際にはあるわけですけれども,ものをつくる場合に,そういうことをもう既に考えてやるという時代になっているわけですから,これについてはそれぞれ長期にわたりますけれども,できるだけ早く制度化をしてやっていけるような時代になっておるんではないか,こういうぐあいに思ってます。  ですから,一般の元気な方が階段があっていいんだというような理屈というのは通らないということになろうかと思います。できるだけスムーズに行動ができるということがあるわけですので,そういったことも含めまして,今回のモデル事業を参考にしまして,できるだけ早く結論を出すように指示をしていきたい,こう考えております。  以上です。  (「議長47番」の声あり) 19 ◯議長(小田伍郎君) 47番上井三郎君。 20 ◯47番(上井三郎君) 先ほども申し上げましたけれども,福祉パス,私も3回ほどちょっとお年寄りの方と会合いたしまして,大変喜んでおられました。ひとつ,喜ばれてせっかく期待をされておりますので,スムーズにその施策が実行できるように期待したいと思います。  あと,いろいろとご質問申し上げたいことがありますけれども,一応この場ではここでとどめさせていただきたいと思います。また,後ほど開かれます特別委員会でさらに精査を深めてまいりたいと思います。  以上で終わります。 21 ◯議長(小田伍郎君) この際暫時休憩いたします。  12時30分より再開をいたします。   (午前11時17分休憩)   (午後0時34分再開)  (小田議長議長席に着く) 22 ◯議長(小田伍郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  午前に引き続き,平成5年度当初予算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  72番橘 暉一君。  (72番橘 暉一君登壇)(拍手) 23 ◯72番(橘 暉一君) 私は,日本共産党神戸市会議員団を代表し,平成5年度予算並びに関連議案について質問をいたします。  最初に,不況が深刻化し,市民の暮らしに大きな影響が出ており,景気対策の強化が求められているとき,税収の伸び悩み特に法人税関係の大幅な落ち込みにもかかわらず,不況打開と福祉対策などの強化のため積極的な予算を組まれようとされた努力は評価するものであります。  さて,今日市民は長期かつ深刻な不況による暮らしの困難や,高齢化社会の進展がもたらす切実な事態に遭遇しており,不況対策,福祉の充実が求められております。ところが,政府の新年度予算は,伸び率こそ下げたものの相変わらぬ軍事費の拡大が特徴的であり,不況対策は財界本位で,国民の期待にこたえておらず,地方財政の圧迫も著しいものがあります。  その上,自衛隊の海外派遣も国民の反対の声に,非軍事と断りながらカンボジアでは危険な状況に逢着し,さらにアフリカなどの情勢を理由に海外派兵による国際貢献を広げると称し,軍事力利用の障害となる憲法の平和原則を変えようとする動きが自民党,財界その他から激しくなっております。  我が党としては,平和憲法を守る立場で軍事力利用は断じて許すわけにはいきません。市民の抗議の声にもかかわらず神戸港は,PKOの物資の積み出し基地として恒久化されようとしております。六甲山上の米軍通信基地は撤去されることになりましたけれども,なお自衛隊の基地が居座っておる現状があります。市民の平和の願いにこたえ,さらに政府に対して公共施設の軍事的利用をやめるよう働きかけられたいのであります。その点で市長の平和と憲法護持の所信をお伺いいたしたいと思います。  次に,財政見通しについてお伺いをいたします。  1つは,国の予算,地方財政計画などは,政府の経済見通しにより立てられておりますが,本市の予算も税収見込み,地方交付税額,起債枠など,その基礎の上に立てられております。しかし,一般に政府の経済予測の甘さが指摘され,特に平成5年度のGNP予測実質 3.3%が問題になっています。景気の回復のおくれなどから見て,私もそう思いますが,本市の予算執行上懸念はないのかという点をお伺いいたしたいと思います。  地方交付税についてであります。全国的には平成元年度以降伸び率が低下し,特に平成5年度はマイナスの 1.6%となっております。政府の方針を見ると,国庫補助金の削減をし,一般財源化するとして,あれもこれも交付税措置をするとしております。本来地方交付税は地方公共団体の一般財源であるものが,政府により使途が指定され,補助金化するように考えられるが,地方自治権を守る立場から,どのようにこの措置を判断されるか,お伺いをいたしたいと思います。  また,交付税総額がふえないのに,あるいはむしろ減っておるのに措置する項目がふえておるわけでありますが,措置の対象から外されたものがあるのか,あるいは減額をされているものがあるのか,お伺いをいたしたいと思います。  財政の3つ目は,政府は国の財政困難と不況対策の強化とのジレンマから,地方単独事業の強化の方針をとり,地方財政計画では12.0%の伸びとしており,本市も一般会計分14.0%,全会計10.3%の伸びを計上しています。この場合,政府の補助金の出る公共事業と違い,公債に依存することになるが,本市の将来の財政への影響はどうなのか,一般会計における市債残高は平成4年度 7,510億円が,平成5年度 8,255億円に増加し,公債費比率も5年度は18.6%と過去最高となります。そして,この立場から公債費削減のために最近の金融緩和,金利低下を見ると既発行の金利の高いものの一括繰り上げ償還をし,借りかえることができないのか,お伺いをいたします。  4つ目は,地方単独事業という場合,小規模な事業を想定するものでありますが,本市の場合,開発・港湾など大規模なものが占める割合が高く,小規模で市民生活と密着し,地元建設業界への発注をするものが少なくなったのではないかという懸念をせざるを得ないのでありますが,この点いかがお考えになっておるか,お尋ねをいたします。  本市の市政運営の特徴の1つは,公共デベロッパーによる宅地,業務用地の供給と開発利益の吸収にあります。良好な団地を供給するとともに利益を一般会計へ繰り入れ,税収が少ない点をカバーしてきました。  さらに,神戸市の場合,他都市に比べて民間経済の弱さがあり,公共分野の経済特に市財政が経済を引っ張ってくる役割を果たしてきております。しかし,これまでこれを支えてきた開発事業の伸び率は低迷をしております。これは本市の経済活動と市政運営の基本,財政収入に変化をもたらすのではないかと見られておりますが,この点どのようにお考えになっておるか,判断をお伺いいたしたいと思います。  不況問題についてお伺いをいたします。  長引く不況は深刻な影響を市民生活に与えています。雇用の面でも深刻で,各地で工場閉鎖,管理職を含めての首切りが出ております。全国の有効求人倍率は 0.9と下がっておりますが,兵庫県の場合は 0.6台,神戸市の場合は 0.5台であります。小売は百貨店の売り上げに見られるように昨年を下回り,鉄工所なども設備投資の減少のため仕事量が減っております。地場産業のケミカルも深刻になり,建設業も仕事不足に困っている状況があります。  対策として基本的には個人消費を拡大し,それにより設備投資を拡大することでありますが,そのためには賃上げと減税が必要とされております。その点で政府の対策は抜本的でなく,かつ国民に役立つものになっていないと言わざるを得ません。それとともに国と地方による公共事業の拡大,特に地元中小企業に仕事が行くようなもので,同時に国民生活を引き上げるようなものが求められております。  この点,神戸市としても住宅難に苦しむ市民のため,また不況対策としても低家賃の公営住宅を含む公共投資の拡大を大胆に図るべきではないかと思います。平成5年度では,市の公的施策住宅は公営住宅,さらに公社関係の事業も含めてどのようになっているか,お尋ねをいたします。  公共事業の発注問題で,市会でも地元中小企業の発注率の引き上げが求められており,地元発注率50%を目標としているが,達成状況はどうなのか,お尋ねをいたします。  また,最近の動向を見ますと,土木工事でも大規模なものがあり,建築でも高層,超高層がふえております。このため地元業者の参入が困難になっておるのであります。例えば区図書館,保育所,児童館,老人施設など,これまで単体で出ておって,地元業者が参入できておりましたけれども,1つの高層ビルの中に組み込まれた場合,全国大手業者しか参入できなくなってきております。この点の改善が必要かと考えますが,いかがお考えでございましょうか。  また,製造業の問題でありますが,神戸の特徴は鉄鋼・造船・電機・化学などの大企業と,それを支える多くの下請鉄工所などが存在しておることにあります。私が調査をしたところによると,仕事量は平均して20%から30%,昨年より下回っております。単価も5%から50%ぐらい下がっておるのが現状であります。特に大阪の業者が付近の家庭電器産業の不振から神戸へ参入をし,単価競争を激化させておるようであります。このため各下請企業の状況を聞きますと,収益は30%以上前年より悪化しておるというところが多いようであります。仕事が欲しいというのが切実な声であります。  それとともに好況のとき,親会社からの要請もあり,生産能力の増大と加工の精度向上のためNC旋盤──数値制御の旋盤など新しい機械を導入しておりますが,今仕事が減り,毎月の機械代が払えない業者がふえております。このため融資が切実に求められているわけであります。神戸市の不況対策の特別融資枠を見ましても,43%はこれら製造業が占めておるわけであります。  そこで,下請業保護のため中小企業庁は昨年11月,仕事量確保について「親事業者は,継続的な取引関係を有する下請事業者に対して,下請事業者が安定的かつ合理的な生産を行い得るよう,相当期間にわたる長期発注計画を提示するものとする。」とか,また「親事業者は,下請事業者に対する発注量を大幅に変動させないよう配慮するものとし,特に発注量を親事業者の生産量の変動の程度以上に変動させないように努めるものとする。」と通達を出していますが,実効が上がっていないのが現状であります。  単価問題につきましても,中小企業庁は,「取引数量,品質,材料費,労務費などの合理的な算定方法に基づき,下請中小企業の適正な利益を含み,労働時間短縮等労働条件改善が可能となるよう,下請業者と親事業者が協議して決定する。」と通達しております。しかし,実際には買いたたきが横行しておるのであります。  こういった事態を改善するため,下請業者からの訴えを待っているようでございますが,訴えた場合の親企業からの報復を恐れまして申し出てこないというのが実情ではないかと思います。県,市協力して積極的に調査を行うべきではないかと思います。その際,雇用調整の実態についても把握するべきだと思いますが,いかがお考えでありましょうか。  融資については,中小企業庁は昨年11月の通達で「個別企業の実情に応じ,担保の徴求(担保を求めること),既往債務の返済猶予等について今後とも十分対処する」ように求めた通達を出しております。しかしながら,現実にはそうなっておらないわけであります。不況対策として中小企業融資については,市が昨年末決定した特別融資を業者にとっては別枠として対応すべきではないかと考えますが,いかがお考えでございましょうか。  次に,福祉施策の充実についてお伺いをいたします。  政府の福祉予算の圧迫によりまして,医療費の切り下げを図った医療法が改悪をされました。中小病院の倒産がふえ,一方では高齢者の病院追い出しが昨年11月ごろから激しくなっております。しかし,特別養護老人ホームなど高齢者施設の整備状況や,在宅ケアサービスでの大都市のおくれが厚生省の調査結果でも指摘されております。市長は,こうした結果をどのように受けとめられ,前進させようとしておられるか,お伺いをいたしたいのであります。  次に,笹山市政になってから都市環境基準も提案され,福祉施設の建設や在宅福祉サービスの面でも前進をいたしましたが,なお市民の要求からも,あるいは全国的趨勢からもおくれを取り戻すことができていない現状があります。  おくれの原因の1つは,福祉や保健サービスの第一線にあり,そのために市民の切実な要求や苦しみに接している職員の要望や意見が吸い上げられることが不十分で,それが政策に反映されにくいということであります。その結果,担当の職員は市民の要求を退けざるを得ない立場に置かれ,市民も市の対応に不満を持つという状況を生むのであります。市の幹部が高齢者,障害者,その介護人など多くの苦しみを持っている人々と直接対話をし,もっと早く市民の要求が反映されることによって,福祉行政は進むのではないかと思いますが,いかがお考えでありましょうか。  2つ目は,神戸市の福祉行政のおくれに管理運営費の貧弱さの問題があります。建物はすばらしいのに中身が充実していないという声があります。介護される人や利用する人の立場に立った人員の配置ができれば,サービスの水準が上がるのではないかと思うのですが,この点に問題があります。この際,市の福祉行政のあり方について,市内外のご検討をお願いしたいと思いますが,いかがでありましょうか。  国民健康保険事業についてお伺いをいたします。  このたび我が党が要望してきました人間ドックに助成制度を導入されたことは,喜ぶものであります。また,国庫補助の引き下げのもと,医療費の伸びが 5.0%伸びたのに比べ,保険料の引き上げを 1.3%に抑える努力などを払われております。しかしながら,深刻な不況の中でこれ以上保険料がふえることは耐えがたいというものがあります。国保事業の一般会計からの繰り出しをふやし,引き上げを抑えることができなかったのか,お伺いをいたします。  また,平成3年度は,国保料徴収率が92%を下回り,調整交付金から約2億円のペナルティーをとられたということであります。さらに,昨年10月の国保証の更新時の未交付は3万 2,000余り,年末の時点でも1万 300残っており,他都市に比べても異常に高いと指摘をされております。これは保険料が高くて払いたくても払えないという状況が広がっていること,また保険料未納者に対する日常的な援助や指導が弱かったということを物語っているのではないでしょうか。  だれもが保険証の交付を受け,安心して医療を受けることができるようにするために,また徴収率の改善が可能となるようにするためにも抜本的な保険料の減免制度の拡充が必要だと思います。法定減免制度のPRを行い,対象者をふやすとともに不況にあえぐ中小零細業者にも特別の減免を行うことができないか,お伺いをいたします。  次に,福祉オンブズマンの導入について提案をいたします。  川崎市や東京都中野区においてオンブズマン制度が導入されてから,この制度に関心が高まっております。川崎市の場合は市政全般にわたる制度で,中野区の場合は福祉に限定したオンブズマン制度であります。いずれも4人の弁護士などの専門家からなっており,調査措置請求権を持っています。この制度の実施によって職員の仕事への緊張感が生まれ,行政サービスの向上が図られる,手軽に申請をし,解決をしてもらえるなどのメリットが報告されておりますが,神戸市においてもとりあえずは福祉オンブズマン制度を導入してはどうかと提案をするものであります。  神戸市でも,市政相談や市長への手紙,アドバイザー制度があり,要求の反映や苦情の処理に当たっておられるわけでありますが,これらの場での要求や苦情の解決は,市当局の判断や善意のみにゆだねられる一方的なもので,権限を持つ第三者が責任を持って一定限度内に解決を行うものとは質は違うものであります。この制度を設けることによって市政への信頼と安心を高め,あわせて市の行政サービスを引き上げることができるように検討されたいのであります。  福祉の最後は,新年度から敬老優待乗車制度が拡充され,神戸市域のバス,市営地下鉄,新交通の利用が可能となり,大いに歓迎されているところであります。その際,制度の長期的,安定的な維持という観点から,老人医療の所得制限が導入されようとしていますが,このような所得制限が今後他の施策へも拡大されるのではないか,一度所得制限が導入されれば所得制限の基準が引き下げられるのではないかとの懸念がありますが,市長のご見解をお伺いいたしたいと思います。  次は,大規模な臨海開発についてお尋ねをいたします。  東京臨海副都心開発,横浜みなとみらい21,関西新空港対岸のりんくうタウンなどが経済不況の深刻化,バブル崩壊に伴う土地価格の下落により,進出企業の減少,財政の計画の破綻が起こっております。そして,そのツケを地方自治体がかぶるというケースがふえております。  そこで,お伺いしたいのは,ハーバーランド,キャナルタウン兵庫など再開発地域はそのおそれがないかどうか,また西神・北神の開発用地や六甲アイランドの土地処分や公社などの住宅分譲などはどうか,この点をお尋ねいたしたいのであります。  臨海開発の2番目は,大阪湾ベイエリア開発については特別法が制定され,昨日も答弁がありましたが,対象地域の指定,基本方針の策定,整備計画の決定,開発地区の申し出等がされることになってきました。その中で環境保全に関する基本的事項も含まれておりますが,この点に関し国会の委員会での要望事項として,基本方針には必要に応じ,総合的に環境への影響調査・研究を行うよう定めることとなっておりますが,この点はどのように具体化されつつあるか,お伺いをいたしたいと思います。  次に,神戸市民にとって関心の高い大規模な東部臨海部再開発についてでありますが,神鋼脇浜工場跡地40ヘクタール,その他神鋼用地10ヘクタール,川鉄26ヘクタール,その周辺を含めJR以南で 120ヘクタールという大事業であります。  そこで,お伺いしたいのは,その1つは基本的な土地利用計画とはどのようにお考えになっておるか,その計画の市の考え方が尊重される手法はどういうことか,またロンドンのドックランドの教訓は,大量輸送機関に問題があったということでありますが,アクセスはどのようにお考えになっておるか,次に事業費の問題,開発利益の問題,住民参加の手法の問題などについていかがお考えか,お伺いしたいと思います。  また,川鉄・神鋼では,ここでの生産活動を中止するわけであります。働いている人たちの雇用確保も極めて重要な問題であります。特に川鉄では,現在約 1,000人の人々が働いているだけに,再開発を理由に大量の解雇者を出すようなことは許されないのであって,雇用確保,雇用をつくり出す点も重要な項目にすべきだと思いますが,いかがご処置されるつもりか,お伺いしたいと思います。  最後に,参加と対話の前進についてお伺いをいたします。  市長は,参加と対話を重視する市政を強め,市政アドバイザー制度の発足,審議会の公開と,これへのアドバイザー代表の参加,都市計画におけるまちづくり協議会の活用など努力をされております。しかし,区画整理事業などにおいて,3年間もかけてつくり上げた住民サイドから出されたまちづくりの試案を計画化し,都市計画審議会にかけて決定しようとする段階になると,反対署名がたくさん上がってくるという状況があります。こうべの市民福祉総合計画なども,職員参加を重視し,係長級の人たちを多く参加させて,計画を策定したわけでありますが,現場の職員の中からは自分たちは関与,関知しないところで決まったという声も出てきておるわけであります。  今度のマスタープランにいたしましても,区ごとのマスタープランをつくるということで,区役所の各課の係長,福祉事務所,保健所,土木事務所などの係長が参加して,既に昨年4回ほど研究会をし,各区の実態を知るところから作業を始めておると聞いております。新年度は議員や地域団体のリーダーなどにも意見を出してもらって,検討会で決定するということでございますが,ここでも一般職員の参加がないままに議論・検討が進んでおるのではないかと懸念するものでありますが,どのように改善されるか,お伺いをいたします。  今後マスタープランなど基本的な計画や政策決定については,住民参加ということでも少数の団体・役員を対象にした説明会で終わらせることのないようにしてもらいたいし,また職員参加では行政の第一線での職員の参加を促す努力をしてもらいたいのであります。つまり職員自身が神戸市のことや区のこと,担当する分野のことについて積極的に意見が出せる場を保障していただきたいのでありますが,市長はこの点いかがお考えになっておるか,お伺いをいたします。  以上であります。ありがとうございました。(拍手)  (「議長」の声あり) 24 ◯議長(小田伍郎君) 笹山市長。 25 ◯市長(笹山幸俊君) 橘議員のご質問にお答え申し上げます。まず,私から数点お答え申し上げまして,他は助役等から答弁申し上げます。  まず,平和問題でございますが,これはご指摘のとおりでございますが,我々国民あるいは市民生活にとって平和が基本でございます。これは市政全般にわたって平和が基礎になっておるわけでございまして,このようなことから平和な都市づくりということでございまして,従来から各部局で取り組んでおりります一般施策といったものにつきましても,平和を願ったまちづくりになるべきだと思います。これは,まちをつくるということは,平穏な生活,安定した生活ができるという前提でやっております。そういう意味では,こういった市民全体の生活が平和につながるということでございます。また,平和が市民生活を支えるということだと思っております。今後こういった考え方は変更はございませんし,平和と憲法を守る,また尊重した施策を展開していきたいと考えております。  それから,まず財政問題でございますが,いわゆるGNPといいますか,こういった伸びが非常に少ないし,またこの数字そのものが問題があるんではないかというご指摘でございまして,確かにそのとおりだと思います。予測することは非常に難しいという現状でございます。例えば調査機関がやっておりますのが 1.7から 3.5といった幅がございます。政府は 3.3というようなことで固定をしておりますが,これも政府の考え方は4年度にやりました,いわゆる総合対策と5年度の予算をあわせまして判断をしていると聞いております。ですから,明らかに数字的なことから言えば不透明と言わざるを得ません。しかし,5年度の予算編成につきましては,少なくとも国がやっております地財計画なり,あるいは予算というものを参考にしながら税収の伸び等についても考えながら編成をしていくということでございます。  また,非常に考えておかなければいけないのは,事業計画の執行予定でございます。市でやります事業をどういうぐあいに展開していくかということを前提に考えていかないとうまくいかないんではないか,こう思っております。現在この編成に当たりましては,いろんな情報といいますか,こういった情報をたくさん集めて予算を編成したわけでございます。  ですから,一応大まかに申し上げまして,この予算で対応できるのではないかと思いますけれども,万一経済的な状況の変化,あるいは社会的な要請といったものが緊急として上がる場合,修正していく必要があるというぐあいに考えておりますので,補正予算等で柔軟に対応していきたい,こういうぐあいに考えております。  それから,開発事業会計から一般会計に繰り入れをいたしております。開発事業が市の一般財源に与える──仕事に与える割合といいますか度合いというものは非常に高いわけでございます。それにもかかわらず元年度から事業費そのものは横ばいで伸ばしておりません。これはこういった社会情勢になるということを見通したわけではございませんけれども,やはり急激な伸びというものは都市の活力を弱める場合があるということはご承知のとおりだと思いますが,そういった急激に仕事をどんどん進めるということではなしに,その時代時代に応じて漸増といいますか,そういうような慎重論で来たのは事実でございます。しかし,実際の仕事をするものは変わっておりません。事業量そのものは変わってないわけでございまして,収益等についても必ずしも減ったわけでもございません。  そういうことで,開発事業が神戸の事業に対する割合というものは非常に大きいわけでございまして,そういった収益の一部をもちろん償還に充てるということが1つ,福祉なりあるいはインナー問題に出せるという力をいつでも蓄えておくということが必要ではないかと思います。ですから,そういった時代時代に応じて開発事業をどう変化させていくか,これは都市を支えていく大きな力ではないかなと,こう思っております。
     しかし,あくまで人が住みますのがまちでございますから,人が住めないまちというものは考えておらないわけでございますので,市民の皆さん方が安定して住める,いい環境をつくるということで,なお収益があればそちらへ回すということがこの開発事業の本旨でございますので,そういうことで今後ともやっていきたい,こう思っております。  それから,大阪湾ベイエリアの開発の問題でございますが,全体的には議員立法で決まったわけでございますが,これから作業でございます。例えば地域指定あるいは基本方針の決定,こういったものの作業がございますが,これは平成5年の8月ぐらいに国の方で方針を決めたい,こういうようなことを聞いております。ですから,具体的には国からまだ働きかけはございませんが,作業としては進めていく必要があります。  この基本方針の決定の際には,いわゆる地元の意見を聞くということになっております。ですから,それぞれの問題につきましては,私どもからの意見を当然申し上げたいと思います。また,地区指定についても,これは地元から申請するというシステムになっておりますので,その際には市としての考え方を十分伝えたい,こういうぐあいに考えております。  環境の影響等についても,やはり現在はベイエリア開発推進機構の中に神戸市も参加しておりますので,ここで調査研究に参画をするということでございます。特に大阪湾の水質の問題については,相当勉強をしておるつもりでございます。その調査結果で,今後の作業としてはその整備計画を策定するということになります。その中でも環境保全に関しましての基本事項について今後検討させていただきたいと思っております。  それから,臨海部の再開発の問題でございますが,特に東部臨海が現在俎上に上がっております。都心に非常に近いところでございまして,将来の再開発全体,面的な再開発,それから土地利用の変更といいますか改善,こういうものを図ろうとするわけでございまして,特に港湾機能の取り合いといいますか,そういうものの調整を図るということがございます。内陸部も含めまして今後やっていくわけでございますが,市街地とのいわゆるアクセス問題,あるいは機能分担──土地利用でございますが機能分担,それらを総合的に計画的に誘導していくということでございます。その誘導の仕方が今後問題になりますので,東部臨海部の土地利用計画策定委員会というのを現在運輸省あるいは建設省それから学識経験者,こういった方々に寄っていただきまして,今作業中でございます。  これは先ほど申し上げました土地利用のあり方,あるいは整備の方向づけというものを決めようとしておるわけでございますが,まだ成案までは行っておりませんが,今後それぞれ詰まってこようかと思います。  その中で議論になっておりますのは,都市に近い区域でございますし,一部区画整理もやったわけでございますが,建物あるいは土地利用について不備な地域が相当ございます。そういうことも含めまして,全体的に 120ヘクタールという相当大きな区域を設定しようとしております。  ですから,この中にどういうものを入れるかということですが,業務機能というものを入れたい。それから,最近話に出ておりますWHOの健康センターといったものにかかわります研究機能というもの,それからウォーターフロントの開発も同時にやりますので,それらに面して,また必要な文化なりあるいは交流・集客施設というものが必要だろうと思います。  それから,それの後背地も含めまして,いわゆる都心型の居住機能,平たく言えば住宅でございますが,こういった問題あるいは流通機能あるいは生産機能,これは現在生産機能が相当集積をいたしております。生産機能と流通機構が集積をいたしておる区域でもございますので,これらに加えて導入が必要でないかと思います。また新しいものが入ってくるような余裕をつくっておきたい,こういうぐあいに考えております。  これは委員会の中で議論もしておりますし,この方式については既に申し上げたかもしれませんが,できればハーバーランド方式をとっていったら非常にスムーズに土地利用について計画的に誘導できるんではないかな,こういうぐあいに考えております。  しかし,それは事業のやり方でありまして,コンペをやるとかそういうこととはこれは別でございますが,事業をやるということになりますと,都市計画を使うかあるいは一般の開発事業であるか,この辺が今後私どもが目標としております都市機能の機能分担,そういったものについてのチャンスを失いますので,これを十分やって,私の方で主張したい,こう思っております。  特にこれらの開発をやるためには,いわゆる交通アクセスの問題です。これは道路もございますし,鉄軌道の問題も入りますので,これらについても総合的に検討するということでございます。  ですから,この事業手法と都市機能を含めまして,この中に一部,産業機能が入っておりますが,そういったものを含めて議論をする場──また市民の皆さん方がこの周辺におられます。それもそういった環境問題等もございますので,関係機関,今後の計画を策定していく段階で入っていただこうというようなことを考えております。これは先ほど申し上げましたハーバーランドのやり方でございます。そういうことをやりますと,それぞれの意見,あるいはその周辺に及ぼす影響といったものも十分議論をしながら事業にかかれますので,その方法がいいかな,こう思っております。  しかし,国の制度を使います場合には,補助制度に乗るか乗らないかということが非常にこの事業を成功させるかさせられないかの別れ道になりますので,できるだけ事業に乗るような,制度に乗るような事業手法というものを考えていきたいと思っております。  ですから,まだそれが決まっておりませんので,当然でございますけれども,事業費の算定も今のところまだできておりません。全体的にどこまで手を入れるかということでございます。それが決まらないと事業費が出てこないということでございますので,市として望ましい,東部の臨海部を含めました旧葺合地区東部の環境整備を図っていくということでございます。  それから,負担の問題が実はございます。法律では明示されておるんですけれども,開発利益の還元ということでございます。これはそれぞれ公共施設等の整備が行われる場合に,法律による制度に乗る場合と乗らない場合とございます。ですから,乗れば国の補助が出てきますし,その裏は当然市あるいは事業者とが負担するわけですが,そういうことができない場合にどうするかということでございますので,これについてはこの法律にも書いてありますように,こういった事業の法律に乗るもの乗らないものについても,利益に応じた適切な負担,こういうものを求めるということになっておりますので,検討したい,こう思います。  それから,川鉄あるいは神鋼が閉鎖をするわけですけれども,工場生産ということについては閉鎖をしますけれども,過去に生産活動を通じまして神戸経済を支えてきた地域でもございます。そういう意味では,新しいまちづくりになりましても,土地利用についてはやはり継続して神戸経済の活性化につながる機能を入れてほしい,こういうことでございます。そういう意味で働く場所の確保は,前以上に場所を確保していただきたい,こういうことを申し上げてきておりますし,またそうなるように誘導していくというのが今後の課題であろう,こう思っております。  それから,参加と対話についてですが,確かにまちづくりあるいはいろんな計画がございますけれども,そういった段階で市民の方々あるいは議会からもいろんな市民の声として,いろんな要望あるいは意見というものがずっと出てくるわけでございますけれども,これが長年かかって成熟していくということが今までの計画が実際に決定され事業化される段階のプロセスというんですか,そういうものがずっと行われてきております。  ですから,実際の計画といいますか,そういうものが決まる段階,その前に政策というんですか,そういう方向づけをするという,こういう方向で行こうではないかということについて,これはいろんなやり方があるわけですけれども,当然その地域にとって必要な事業だという判断,そういうものが必要となってまいります。  ですから,その判断をする場合に利害関係相反するという問題が出てまいりますけれども,その場合でもやはり市民のそれぞれに利害が相反しても,皆さんに説明をし,なお皆さんの意見を聞いていくということになろうかと思いますけれども,実際にはその話がスムーズにいかないというのが現状でございますし,過去の実例から見ましても10年,あるいは極端に言ったら20年というような長期にわたって議論をしてきた経過もございます。ですから,結局20年かかってみて,今取りかかったと,20年さきにやっておったらこんな心配しなくてよかったのにねといったことがよく言われます。  ですから,そのときの情勢というのは的確な判断を求められるわけでございますけれども,これは非常に難しゅうございます。まちの形が変わるわけでございますので,そういった計画を進める段階で,過去いろいろ考えたあげく,神戸ではまちづくり条例というものを他都市にないような住民参加の制度,そういうものを始めたわけでございます。  例えば環境問題にしてもそうだと思います。ご承知のような高速道路2号線の問題にしても,既に決定しながらなお環境問題で10年ぐらい検討をした,また議論をしたという経過もあります。しかし,やはり技術進歩とかそういった考え方とかいうものはどんどん変わる。世の中が変わるのと同時に変わってまいりますので,それにうまく乗るということが現在非常に求められております。意見も変わるかもしれません。しかし,技術もよくなってくるという想定のもとにやる場合もありますので,こういった問題についての話し合いということですけれども,お互いに少しずつレベルが違う場合がありますので,そのレベルを同一にしていくという努力がむしろ住民参加で話し合いに必要なことではないかなと,こう現在思っております。  ですから,今回のマスタープランの改定にしても,じゃあ大きな計画からやっていったらどうかと,今まではそうだったわけですが,実際に住民参加ということを考えるなら,みずから自分のまちはどうしたらいいかということを考えるということが先ではないかという議論から,今回区別の計画を先につくってみたらどうか,こういうことでございます。そういうことを市民の皆さん方に申し上げております。  それまでに──そういった区別の計画をするのはそれでいいわけですが,全体的に見てやはり神戸のまちはどういうイメージのまちにしたらいいか,都市像を考えるかということで,最近ずっと小学校,中学校,高等学校といった方々にいろんな意見を──夢のような意見も出してもらう,また一般の市民の皆さん方にも出していただく,また一般の市民の方の参加をいただいて懇談会をやる,また青年層の代表の方との話し合いもこの前やりました。そうしますと,これだけの各層と話をしますと相当の物の考え方にずれがございます。そのずれをどうするかということが今回のマスタープランをつくっていく一番大事なところに来たんではないかな,こう思います。  例えば機能的な問題からソフト面まで入っていくわけですが,生活──営みとよく言われますが,いわゆる営みということを入れるということになりますと非常に難しゅうございます。人それぞれ違います。それを画一化して表現していくということが非常に難しゅうございます。  しかし,そういうことも含めてこのマスタープランに何とか織り込めないか,こういうことでございます。特に高齢化社会問題についての対応の仕方というのは,今現在の考えと,あるいは30年後の4人に1人というような時代でどうするかという議論というものは,マスタープランの中でどう位置づけするんだという,その方の考え方の方が難しいわけでございます。物理的に言えば,4人に1人ですから,もう当然4人に1人の方を支えていったらいいではないかということになります。それだけの施設をつくればいいということでございますから,もう3人の人が一生懸命働くということになる。極端に言えば2人になります。子供がおるとすれば2人になりますから,そういったことから言えば,そういった議論だけではマスタープランはつくれないということになります。  そういうことで,今後いろんな作業をする中で,こういったところについてマスタープランの中でどう位置づけ,また表現をしていくか,それで実際に実施計画がそれでつくれるか,こういう議論をしていきたい,こう思っております。  それから,一般的に言いましたら,区民の懇談会でもやっております。それから,いわゆる各界といいますか,いろんな専門家の方の意見を聞くということでアンケート調査といったこと──マスタープランについてのアンケート調査でございます。それから,全世帯アンケートももちろん今年度やります。  それから,職員に対してですけれども,これも非常に難しいんですけれども,職員提案制度というのがございますが,これの中でこのマスタープランについての提案ということで最近やっております。一般的な問題として考えるか,あるいは自分の現在置かれておる立場から考えるか,あるいは,いやそうではない,一般市民として考えるかですね。この辺は自由な提案制度になっておりますが,少なくとも一般市民として考える場合と,市の職員として考える場合とはおのずから変わると思います。考え方が少し変わると思いますけれども,これも1つの提案,今後のマスタープランをつくる上でそれを実施する側の,行政側としての職員の気持ちというんですか,それをその提案の中でどう見ておるかということが大体わかるんではないかな,こう思います。  ですから,職員をそういったマスタープランの区別の計画で参加をしてもらっております。例えば課長が出て,係長が出て,一般職員が出ない。これは,じゃあ一般職員を先に出したらいいではないかという議論につながりますけれども,一般職員が出て,そういった区民の皆さんと話をして,いろんな事項について判断をし,それを1つのまとめとしてできるか。これは権限上できない場合があります。係長でないとできないとか,あるいは即座に返答ができるかとか,いやもう課長や係長あるいは区長に聞きますと,こういうことでいけるかどうか,こういう問題が残ります。  ですから,私は一般職員にやれる仕事,やるべき仕事というのは,役所の職員であっても一般の市民と同じようにやれる仕事はやる。家に帰れば一般市民ですから,そういうことをやりながら,また一般職員として皆さんと同じような考え方で例えばボランティアをやる。そういったこともやりながら,これは市政に参加をしている。  市民に対してボランティアをやってくださいと,これは市政に参加をしていただいている,こういう判断をします。ところが,職員についてはそういうことを言わない。職員だから当然ではないかという言い方もありますけれども,そういうことではなしに,職員として外へ出ていただくという考え方です。その現場へ行ってもらう。そしたら自分の仕事以外のことで身につくことがあるだろう。それについて意見を言う。もちろん自分の仕事については,上司に自分の提案・意見というものは当然言える立場にあります。一般市民よりずっと近くあるわけですから,それをうまく考えて言ってもらう。そういう習慣というのは職場でつけていかないと,頭ごなしに言うわけにいかないということでございます。  ですから,それぞれの職員がそれぞれの自分の分野で市民のために働くということは第1でございます。そういうことから次にその余力があれば,一般市民と同じ立場で物を考えて行動してもらう。これが市政参加ではないか,こういうぐあいに今考えております。  今,私からいろいろ参加について申し上げましたが,今後市民参加あるいは職員参加という問題については,いろいろと市政に反映する1つの手だてを考える必要があろう,こういうぐあいに考えております。  以上,私からお答え申し上げました。  (「議長」の声あり) 26 ◯議長(小田伍郎君) 緒方助役。 27 ◯助役(緒方 学君) 私から数点ご答弁申し上げます。  まず,財政問題の1つですけれども,国庫補助金の削減あるいは一般財源化するとして交付税対象がふえている,そういうことにかかわる問題でございますけれども,国庫補助金の問題につきましては従来から地方公共団体の事務として同化しているもの,あるいはまた定着しているものにつきましては,地方へ委譲するとともにその財源の地方一般財源への振りかえを進め,これに伴う所要財源につきまして十分な措置を講ずることということで,指定都市共同で要望してきているところでございます。  平成5年度におきましても,保健所運営費交付金等について一般財源化し,交付税措置へ切りかえられることになりました。国庫補助金の整理・合理化のあり方につきましては,地方分権の立場から,国と地方の役割分担についての十分な議論を踏まえて行われることが大切でありまして,ただ単に国の財政上の都合から地方に負担を転嫁するということだけでは問題があると考えております。  その点,今回当初その対象として上げられました保育所措置費につきましては,問題がありましたために地方団体の強い反対で見送られたところであるわけでございまして,他の点につきましてはやむを得なかったと考えております。今後とも国の動向を注視いたしまして,先生方のお力添えも得ながら,安易な地方への負担転嫁がなされないように努めてまいりたい,そういうように考えております。  また,地方交付税の総額につきましては,平成5年度は地方団体に交付される額,いわゆる出口ベースと言っておりますけれども,その額が対前年度 1.6%の減となっておりますが,これは平成4年度措置されました臨時財政特例債償還基金費,4年度で約1兆円でございますが,これが当面必要ないという趣旨から措置されていないためでございます。平成4年度の交付額から臨時財政特例債償還基金費という特殊要素を除いたベースで比較しますと,対前年度約 7,700億円 5.2%の増となっております。  また,地方交付税は本来自由な一般財源であるべきであるわけですけれども,最近基金費をはじめといたしまして,特定財源的な算入の仕方がなされているとのご指摘でございますけれども,あくまでも一般財源であり,使途が強制されるものではないこと,そしてまた事業を積極的に行っている団体に多く交付税を配分したいという考えからでございまして,一般財源である限りはある程度やむを得ないものと考えております。  それから,第2点でございますけれども,地方単独事業が高い伸びを示しておりまして,市債発行等を伴うわけでございますけれども,将来の財政にどのような影響を与えるのか,また単独事業の大規模化に伴いまして地元建設業者への発注が減ってきたのではないかというご指摘でございます。  平成5年度一般会計の市債発行予定額は 1,120億円でございまして,市債依存度で見ますと11.9%となっております。過去の市債依存度を見ますと,平成元年度 7.9%,2年度 7.8%,3年度11.0%,4年度11.9%ということになっております。かなり高い水準になってきております。これは積極的な用地取得あるいは景気対策の必要から市債への依存が高くなっているものでございます。  今後の見通しといたしまして,公債費の増高は市債依存度から見ましても避けられないと思われますけれども,近年の金利低下から残債の平均利率が低下してきていること,あるいは地域総合整備事業債など元利償還の一部を交付税で措置される起債がふえていることなどから,大きな負担にはならないと考えております。今後とも市民福祉の向上のために市債を活用していくつもりでございますが,残債の動向にも留意しながら適債事業を厳選いたしまして,発行条件にも十分配慮して,できるだけ後年度の負担の軽減を図りたいと考えております。  中小企業への発注率は,3年度件数で82.4%,金額で40.9%ありましたが,4年度は5年1月末現在,件数で83.3%,金額で49.2%となって改善を見ております。港湾・開発事業は,全体として規模の大きい事業が多いわけですけれども,そういうことで年度末には多少今申し上げました数字が下回るかもわかりません。しかし,できる限り分離分割発注を行い,また地元業者による建設共同企業体を活用するなど,地元業者の発注機会の確保・増加に努めていきまして,今後ともこの方針を堅持していきたい,そういうふうに考えております。  それから,不況対策で,これも地元の中小企業の発注率のことでございますけれども,中小企業の発注率は,さきにも述べましたが,5年の1月で金額で49.2%となっておりまして,目標といたしております50%を少し下回っておりますけれども,今後とも地元の中小企業が受注できるよう発注方法に工夫をしてまいりたい。  次に,大規模な工事──高層建築は大手業者しか参入できなくなったというようなご指摘もあるわけでございますけれども,大規模工事にありましては,かなりの技術力・資金力等が必要であるため,本市といたしましては地元建設業者を,全国的にも受注できる企業へ育成していくことを大事と考えておりまして,1社での技術力・資金力等の底上げを図るために段階的に大規模工事への発注を考えていきたいと考えております。  次は福祉行政でございますけれども,厚生省の調査等があるわけでございまして,大都市におくれが見られるというご指摘でございますけれども,厚生省が去る1月に保健福祉事業のうちホームヘルプ,ショートステイ,デイサービス,特別養護老人ホーム定員率,機能訓練訪問指導の利用状況を都道府県,指定都市別に比べたものを老人保健福祉マップとして発表いたしました。  このマップは,人口規模,施設の整備充足度の異なる都道府県,指定都市を同列に比較しております。指定都市比較でも,各都市がその独自性,施策の優先順位などを工夫しながら施策を展開している,そういうことが加味されておりませんで,一概にといいますか,一律にといいますか,そういうような比較になっておることはどうかなと考えております。  本市では,施設の緊急整備に在宅サービスの拡充を柱とした高齢者福祉計画,高齢保健計画を昨年春に策定をいたしまして,前期5カ年に集中的に整備拡充するよう努力しているところでありまして,今後も計画の実現に向けて全力で取り組んでまいります。  施設整備につきましては,平成5年夏までに新たに特別養護老人ホーム5施設 300床,デイサービスセンター4施設,ショートステイ90床が一挙にオープンいたしますし,利用定員が飛躍的に増加する予定であります。また,平成5年度予算案に計上しております施設が本格的に稼働いたしますと,デイサービス,ショートステイの利用定員につきましては,指定都市の中でも上位にランクされる見込みでございます。  また,ホームヘルプ事業につきましては,住民参加型の登録ヘルパー制度が平成元年11月に発足し,この3年度版マップが平成2年度のデータを使った形になっておりますので,本市の場合は立ち上がりの段階の時点になっておりまして,まだ実績が十分把握できない状態だったかと思います。ホームヘルプ事業もその後順調に推移し,平成8年度末計画目標 3,000世帯に対しまして,平成5年度末で 1,755世帯に達することを見込んでいるところでございます。  それから,市の幹部職員も高齢者や障害者の方々の声を十分に聞いて事業に反映させるべきであるというご指摘でございますけれども,先ほども市長からるるご説明がございましたが,やさしさとぬくもりが実感できるような住みよいまちづくりを進めるということが基本でございまして,参加と対話ということで市民のご意見ご要望を市政に反映してきているところでございます。  市民福祉総合計画の策定に当たりましても,市民福祉調査委員会に各種団体からの参加をお願いするとともに,市民のニーズを的確に把握するために,高齢者あるいは障害者の方をはじめとする各種の実態調査を行ったところでございます。なお,実態調査の中で,利用者であります個々の高齢者,障害者に対しまして直接ヒアリングも行い,数多くの意見も計画に反映をしたつもりでございます。  また,個々の施策を実施するに当たりましても,各種団体,施設関係者などの意見を,市の幹部も含め,広く聴取に努めておるところでありまして,今後ともそういう形でいきたいと思います。関係者の意見を聞く機会を重ねながら,市民のご意見ご要望を市政に反映してまいりたいと考えております。  それから,これも先ほどの福祉マップにかかわりますけれども,福祉行政がおくれている理由として管理運営費が貧弱であること,そしてまた人員配置等に問題がないかというご指摘でございます。特別養護老人ホームなどの措置施設あるいはデイサービスセンターなどの法定施設は,言うまでもなく措置費制度あるいは国庫補助基準により,その人員の配置とか管理運営上の基本的な条件が設定されて,運営されておるわけでございますけれども,施設の運営の充実を図るために,従来から国に対しましてもその措置基準等の改善を要望してきているところでございます。また,本市といたしましても,公・民の施設に対しましての国の措置費に定める基準以上に職員を配置するほか,民間施設につきましても職員加配の助成を行って,利用者の処遇向上に努めているところでございます。  なお,民間施設に対します職員の確保,定着,そしてまた資質の向上に資するための給与改善助成,それから入所されている方々の処遇向上に資するための施設運営助成も行いまして,サービスの向上に貢献をしているところでございまして,今後とも努力をしてまいりたいと考えております。  それから,福祉オンブズマン制度を導入したらどうかというご提案でございます。先ほど来いろいろと申し上げておりますけれども,こうべの市民福祉総合計画に基づきまして,在宅サービスの拡充,施設の緊急整備を図っております。こうしたサービスの供給が拡大する中で,対象となる市民に対しまして公正かつ適切にサービスを供給していくことが大切であることは十分認識をいたしております。そういうこともございまして,平成5年度から,おとしより保健・福祉相談窓口を設置するなど,そういうような形で公正適切にサービス提供に努めてまいりたいと考えております。  なお,ご指摘がありましたが,苦情・要望に対する現行制度としては,市政相談あるいは市長への手紙など,また全世帯アンケート,市政懇談会,市政アドバイザー制度といろいろとそういう制度があるわけでございまして,福祉に対する苦情につきましても,こうした公聴制度の中でできる限り迅速な対応を行っておるつもりでございますし,さらに努力を重ねてまいりたい,こういうふうに考えております。  それから,優待乗車制度の所得制限にかかわる問題でございますけれども,ご指摘がありましたように優待乗車制度につきましては,制度の長期的かつ安定的な存続のために,最小限度の措置として本人収入額が 534万円を超える方々を対象とした一部有償交付制度を新たに創設したいと考えております。これは制度の存続が図れるとともに,他の高齢者福祉施策の全体的な総量の拡大を図っていきたいという趣旨でございます。  なお,今後同様の措置をほかの施策にも導入するか否かにつきましては,その実施する施策の性格といいますか,そういうものがあるでしょうし,それから受益の問題といいますか,そういうものもあるでしょうし,また経費の問題等もあるわけでございますので,そういうケースが出てくればその時点で総合的に検討していくということになろうかと思います。  提案をいたしております基準額につきましては,他都市の状況あるいは他の施策の基準額,さらには高齢者の生活実態等を総合的に検討した結果のものでございまして,今後大幅な社会経済環境の変化がない限り,この基準をもって対応していきたい,そういうふうに考えております。  それから,開発の問題でございますけれども,地価の下落,バブルの崩壊といいますか,そういう影響がいろいろあるわけでございますけれども,本市における開発事業への状況でございますけれども,具体的に申し上げますとハーバーランドにつきましては,昨年9月にオープンいたしたわけでございます。バブル崩壊による影響はほとんど受けておりません。また,キャナルタウンは整備に着手した段階であり,現在のところ大きな影響を受けていないと考えております。  平成4年度におきましては,西神ニュータウン等のコンペ事業の住宅では,バブル経済が一番華やかな時期ほどではないわけでございますけれども,今なお高倍率の状況でございます。住宅供給公社の住宅分譲につきましては,中古住宅市場の低迷が続いておりまして,買いかえ層を中心に一部厳しい状況がございますが,販売促進を最重点課題として取り組んでおります。  このように地価の鎮静化に伴いまして,異常な状況がおさまってきておるわけでございますけれども,中長期的には堅調に推移するんじゃなかろうか,そういうふうに考えているところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 28 ◯議長(小田伍郎君) 小川助役。 29 ◯助役(小川卓海君) 不況対策のうち住宅建設の状況についてお答え申し上げます。  ご指摘のように住宅関連産業は,大変多岐にわたっておりまして,そのすそ野も広いことから住宅を建設するということは経済的な効果も高いわけでございますし,あわせて内需の拡大のためにも必要な事業であると考えております。特に最近,国が制度化いたしました優良な公的賃貸住宅の供給を図るための特定優良賃貸住宅供給促進事業等も,従来以上に活用いたしまして,本来の公営住宅の建設とあわせて住宅供給に努力してまいりたい,このように考えております。  平成5年度の予算の計上状況でございますけれども,戸数について申し上げますと,公営住宅そして先ほど申し上げました特定優良賃貸住宅を合わせまして 1,162戸分を計上いたしております。公営住宅で 600戸,特定優良賃貸で 562戸ということでございまして,予算的には公営住宅が 185億円,特定優良賃貸は46億円,こういう状態でございますけれども,前期5カ年計画では,すなわち5期5カ年計画では残念ながら85.2%という達成率でございました。今回 4,750戸の計画を第6期の5カ年計画では立てておりますけれども,従来3年度で 831戸,4年度で 1,034戸,今回 1,162戸を達成いたしますと,6期5計はこのペースでまいりますと計画を満足できるんではないか,このように考えております。  一方,住宅供給公社としての事業でございますが,市の住宅政策を補完し,さらに優良な,良好な分譲住宅を建設いたしまして,特に中間所得層を対象に大きな実績を上げてまいりましたけれども,平成5年度では住宅供給公社のサイドで住宅戸数を申し上げますと 912戸を予定いたしております。住公では全体で今期5カ年では 5,000戸の計画でございますけれども,おおむね住公も計画を満足できるんではないかと思います。  ただし,住宅市場の現在の状況を見ますと,特に分譲については必ずしも見通しが明るくない点もございますので,建設戸数については住宅市場の状況等を見ながら毎年度の計画を確定していく,このように多少柔軟な姿勢で臨みたいと考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 30 ◯議長(小田伍郎君) 前野理財局長。 31 ◯理財局長(前野保夫君) 財政問題のうち繰り上げ償還についてお答え申し上げます。  市債の引き受け資金の主なものでございますが,政府資金,公営企業金融公庫,民間資金などがございます。繰り上げ償還についてでございますが,まず政府資金,公庫資金は取得した財産を処分または転用した場合などに限られております。したがって,低金利時代に繰り上げ償還をして借りかえるということは非常に難しいということでございます。  次に,民間資金についてでございますが,これは市場に流通している債権がほとんどでございまして,事実上繰り上げ償還は困難である上,仮に繰り上げ償還をするとしても投資家にとっては非常に不利になるということから,投資家との信頼関係を損ない,今後の発行に悪影響が考えられるわけでございます。  また,仮に繰り上げ償還をするといたしましても,今現在の財政状況からいたしますと,独自に財源を調達することは難しく,ご指摘のように借換債の発行によるしかないわけでございますが,高金利の地方債の繰り上げ償還のために借換債を発行するというのは制度的には認められておりません。したがって,事実上可能性はほとんどないと言えるのではないかというふうに考えております。  なお,過去におきましては,運用の一環として公債基金で保有している神戸市債を買い入れ消却した例もございます。今後とも難しい状況ではございますが,繰り上げ償還も含め公債負担の軽減のためさまざまな方策を研究してまいりたいというように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 32 ◯議長(小田伍郎君) 田中民生局長。 33 ◯民生局長(田中保夫君) 国民健康保険事業についてお答えいたします。  国民健康保険の保険料は,原則といたしまして医療費の伸びに対応するものでございますが,新年度におきましては加入者の負担能力を配慮いたしまして,急増しないよう一般会計から多額の繰り入れを受けてございます。そういうことで抑制したものとなってございます。  次に,保険料未納世帯につきまして,その生活の実態に即しまして分割納付の相談や減免制度の案内など,日常的にきめ細かな納付相談に応じているところでございます。また,区役所には順次相談コーナーを設けておりまして,相談しやすい窓口づくりも進めてございます。なお,昭和59年度から設置しております嘱託員を新年度からは全区役所に配置いたしまして,訪問による納付相談等の充実を図ってまいりたいと存じております。  次に,減免制度でございますが,広報冊子の国民健康保険ミニミニ大百科を作成いたしましてPRに努めてございます。自主減免制度の拡充につきましては,平成4年度に減免率の拡大を実施したところでございます。国保財政が依然として厳しい状況にあることから,また他都市の状況と比べましても遜色のないものでございますので,現状のとおりといたしたいと存じます。  また,法定軽減制度の拡充につきましては,従来から国に対して要望しております。今後とも引き続き他都市と歩調を合わせまして,強く要望してまいりたいと存じます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 34 ◯議長(小田伍郎君) 小野経済局長。 35 ◯経済局長(小野雄示君) 不況対策につきまして,まず下請の保護の問題につきましてお答え申し上げます。  下請中小企業の仕事量確保や単価問題につきましては,下請中小企業振興法に基づきまして国,県,そして県の中小企業振興公社の3者が下請取引の紹介あっせんや単価決定方法の改善指導等を行っているところでございます。しかし,市内の下請中小企業に対する影響につきまして,本市といたしましても中小企業診断指導業務や景気対策相談室での相談,あるいは中小企業の関係団体との連絡などによりまして情報収集に努めておるところでございます。  さらに,親企業である主要な基幹事業所に対しては,機会のあるごとに地元中小企業の育成,公正な下請取り引きの確保等について要請しているところでございます。現在のところ,これらを通じた下請問題に関する訴えはほとんど聞いていないのが現状でございますが,今後とも情報収集に努め,県とは情報提供など連携を図っていきたいと考えております。  雇用調整の問題でございますが,ことしの1月に行いました市内企業に対するアンケート調査,これは回答企業 1,184社でございましたが,この企業に対するアンケート調査によりますと,何らかの雇用調整が行われておるという回答がございましたのが17%でございました。その主なものは新規採用あるいは中途採用を手控えておる。さらには残業制限,そしてまた企業内配置転換,こういう項目がウエートの大きいものでございました。人員の削減に至った企業は,比率としては非常に少のうございます。  また,最近開催いたしました地元中小企業の代表者との雇用問題連絡会議でも,以前からの人手不足感が急速に緩和しつつある一方,現在のところ大きな雇用調整には至っていないというような発言がございました。  次に,不況対策特別融資の関係についてお答え申し上げます。これは昨年10月に予定枠20億円で創設いたしましたが,本年7月末現在で 278件約30億円の融資を行いました。ことしの1月からは申し込み件数も減少してきておりまして,やや落ち着いた感じがございますが,景気の低迷が続いており,先行き不透明な状況でございますので,平成5年度も予定枠を60億円に増額して引き続き実施していきたいと考えております。
     なお,今回本制度融資を利用した中小企業者につきましては,新年度におきましても残債の有無にかかわらず再度利用ができる取り扱いといたしたいと考えております。  また,兵庫県信用保証協会には,特に本制度融資の趣旨にかんがみまして,利用者の保証審査に当たりましては,担保力の有無だけではなく,資金の必要性,業績等について総合的に判断して,弾力的な運用をお願いしているところでございます。  以上でございます。  (「議長72番」の声あり) 36 ◯議長(小田伍郎君) 72番橘 暉一君。 37 ◯72番(橘 暉一君) ご丁寧な答弁がございました。あと,時間が余りありませんので,若干簡単に再質問をさせていただきたいと思います。  1つは,東部臨海の問題でありますけれども,まだ計画が煮詰まってないという段階でありまして,これが神戸市の計画が反映するようにうんと努力をしていただきたいということが1点と,もう1つは特別法の中で特に利益を得るものは,開発の利益の一部を公共が吸収するということになっておるんですが,最近,都市問題研究所発行のものに載った論文を見ますと,担当企業の重役が非常に防戦に出ておる。たくさんの資金が要る,このために企業内部で留保しておきたいという議論です。こうなりますと例えば企業のその地域の中だけのアクセス道路とか,輸送機関だけでなしにそれ以外のものも公共の場としてつくらなきゃならん。こういう点から見ても非常にその議論はおかしいと思うんです。  同時に私も昨年ですか,ベイエリア推進開発協議会のシンポジウムに行ったんですが,大阪府の副知事は,例えばそういった土地が実は昔はかつて公有水面を埋め立てたものだ,それを用途を変更したために莫大な利益が1企業だけに入るのはおかしいという議論をしておりました。調べてみると,かつて国道2号線までが神戸の海岸線であった。それ以後大正年間に埋め立てておるわけです。そうしてできた土地である。そういう点から考えても,正しく開発利益をとるようにしていただきたいと思いますが,この点についてどうかという点が1点。  もう1つは,福祉の施設の建物等はよくできておるけれども,人が足らんのじゃないかと──法定のいろんな特別養護老人ホーム等々はそうであろうと思います。さらに,上乗せの人員配置等もしておられる。法定外の神戸独自でやっておる,例えば地域福祉センター等においても,人員の配置等が十分ではない。あるいは,ない。こういった問題があるのではないかというふうに思うわけです。  それと,3つ目は不況問題でありますけれども,金融機関の調査機関等でいろいろ聞きますと平成4年度の公共事業費は10兆円である。ところが,平成5年度は現在の予算で見ますと8兆 5,000億円でむしろ下がっておる。こういう中で当然予算を組み直さなきゃならんだろう,こういう場合にできるだけ市民生活を引き上げる,かつ地元企業に影響を与えるようなものをしてほしい。特に私,申し上げました超高層のいろんなものが出てくる中で,地元の業界の意見等を聞いてみると,一挙に自分たちだけで超高層とか大型工事はできない,それに対してできれば大手とジョイントを組んででもやりたいんだという点を言っておりますが,そういう点の一定の改善の方向というものを検討してほしいと思うんですが,その辺のご意見をお伺いします。  (「議長」の声あり) 38 ◯議長(小田伍郎君) 笹山市長。 39 ◯市長(笹山幸俊君) 開発,特に東部臨海部のお話がございましたが,いわゆる開発利益をどう還元するかという議論はいろいろとされて,今でも決着が余りついてないということになっています。  というのは,各地方で非常に負担が大きくなりますので,開発負担要綱というのをつくって,それぞれの都市が施行してきたわけですけれども,この中にも公共団体が負けたり,公共団体が勝ったりと,こういったことがあるんですが,特に生活に必要なもので,その地域の人にとって非常に大事なもの,こういうものについてはやはり企業側がそこを使う頻度が非常に高いわけでございますんで,これは当然負担要綱の中でも,現在でもそういう負担をつけております。といいますのは,ある道路まで幅何メートルで取りつけをしなさいと,こういうことでございます。ですから,区域外に負担を求めるということについては一般化しておるんではないか,こう思っております。  ですから,国道2号線以南,特に言われております敏馬神社が海岸にあったわけですから,それから南については当然埋め立てたという歴史がありますんで,これはそれによって非常に利益を受ける。しかし,一方を申し上げますと,過去に阪神高速道路をあそこに高架で通したということになりました。そのときにも実は非常に地価が下がるではないかという議論と──といいますのは買収をしたことがございますので,そういった議論がなされたことがございます。  ですから,受益の範囲というのがどこまであるかということをいつも頭に置いてこういった事業をやらないと,議論が詰まらないということになります。ですから,当然負担すべきではないかということについては,今後いろいろとその事例によって変わるかと思いますけれども,明らかに受益だということについては負担していただく。例えば道路を国道と取りつけたという場合,我が方が取りつけた場合には当然向こうの受益になりますから,負担をしてもらうということは当然の理屈でございます。それからまた,鉄軌道等の問題もありますけれども,これも普通のことだと思っております。  しかし,これをあんまりやりますと,公共事業でやりますから,その負担の問題については制限を受けます。負担をさせたのなら補助はせんよと,こういう理屈が出てまいりまして,こういったことについてはどちらをとるかを十分議論しておかないといかんなと,こう思っております。  それから,福祉の問題ですが,例えば最後にお話がございました地域福祉センター等についての人員配置,これは実は基本的には地域の各種団体の方がみんな寄ってそれをやるという考え方なんですが,実際にはそんなうまいこといかんだろう,一個人の方にそう再々留守番してもらう,あるいは使用についてのいろんな振り分けをしていただくという事務,そういったことは非常に困難だろうという気はいたしておりますんで,これはひとつ検討をさせていただきたいと思います。しかし,必ず常駐して──これを毎日当番じゃなしに常駐ということになりますと,これまた相当 170幾つの学校がありますんで,少なくとも1人ずつ要るということになります。そういうこともひとつ検討課題にさせていただきます。  それから,大型の工事に中小の方々が参画といいますかジョイントを組む場合,非常にジョイントの組み方が難しゅうございますのは,そのジョイントの中で資金を持ちますという,あるいは技術を持ちます,材料を持ちます,こういう分け方が一般的に行われるわけです。それから人──技術者,こういうものの分け方が一般的にやられるんですが,中小の場合は資金力の問題がありますし,技術力の問題がございます。ですから,余りにも技術力が違うという会社同士をくっつけるということになりますと,むしろ下請的になってしまう。現在では協力会社というのがよくあります。大手に対して協力会社──昔は名義人と言っておった時代がありますが,そういった系列の中の業者とそれに全然関係のない業者との差というのは,これまたものすごい差があるわけです。  ですから,そういった協力会社に,またその下請に地元の中小企業が入り込むということは非常に苦しいわけです。実際に仕事を受けた場合に苦しいですから,この辺を親元とその地元との技術力あるいは資金力,こういうものが全然違う場合はちょっと無理じゃないか。もしそういうことが可能であっても,今みたいに3段階下ぐらいの仕事しかできない。むしろ苦しくなる,こういうことがございますから,よほど同レベルのものをやるか,あるいはどれか秀でたもの──わしは金をようけ持っておる,技術者もようけ持っておる,あるいは特に技能者を一そろえといいますか──いかんでしょうけれども,たくさん持ってますと,こういうようなことから特色を生かしたジョイントの仕方をしないと,せっかくジョイントを組んでも苦しいということになります。  この点,各段階でいろいろと聞いておきたいと思いますけれども,前回も申し上げましたけれども,たまたま仕事が重なった場合,非常に仕事がやりづらいということもあって,入札お断りというようなことになりかねないわけでございますので,調子のいいときには企業経営あるいは技術力をどんどんふやしていく。あるいは,人を養成するのはいいんですけれども,設備をどんどん拡大するということは今のような経済状況では非常に危険だということです。  ですから,いつも業界の方に申し上げておりますのは,会社の経営力と技術力をどんどん高めてください,そうなればほっといても仕事は回ってきますと,こういうようなことを申し上げておりますんで,そういったご指導もできればお願いしたい,こう思います。  以上でございます。  (「議長72番」の声あり) 40 ◯議長(小田伍郎君) 72番橘 暉一君。 41 ◯72番(橘 暉一君) それでは,あとは予算特別委員会等で審議をさせていただきます。終わります。 42 ◯議長(小田伍郎君) この際10分間休憩いたします。   (午後2時6分休憩)   (午後2時29分再開)  (荻阪副議長議長席に着く) 43 ◯副議長(荻阪伸秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  休憩前に引き続き,平成5年度当初予算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  15番井川弘光君。  (15番井川弘光君登壇)(拍手) 44 ◯15番(井川弘光君) 私は,自民党市会議員団を代表いたしまして,平成5年度予算案及び関連する諸議案につきまして,市長並びに関係当局に対し質問させていただきます。時間も限られておりますので,明快なるご答弁をお願い申し上げます。  平成5年度は,笹山市政の1期目の総決算であり,厳しい財政状況であるにもかかわらず積極的な予算を編成されると,まず評価するものであります。昨年から続く不況の嵐の中で,市内の中小企業はまさに青息吐息であります。何とかこの不況を乗り切るために必死の努力を続けており,当局におきましても,できる限りの支援策を講じていくべきであると考えるわけであります。  一方,長期的な視点から事業を展開していく必要があります。高齢化社会の進行と人口の減少につながる少子化の傾向,あるいは国際化,産業構造の変化など,本市が取り組まなければならない課題も複雑多岐にわたっていると思われます。  このような背景を考えますと,バランスのとれた総合的な施策の展開が必要であります。しかし,これは単に多方面に気を配っただけの総花的な予算であってはならないと思います。明確な方針に基づき,課題解決に最も有効な施策の重点的な展開が不可欠であると考えております。  そういった観点から,以下数点にわたって質問させていただきます。  まず,神戸空港についてお伺いいたします。  神戸空港は,6年度事業着手に向けて最も大事な時期に来ていると考えられます。本年度の夏に予定されている概算要求に向けて,各課題の解決が急がれているわけでありますが,一方で足元を固めておくことも重要であると考えられます。空港が21世紀の神戸にとって不可欠の都市施設であると認識するなら,市民,事業者がそれぞれの役割分担に応じて,その実現に向けて努力すべきであると思います。  現在,当局では市民の理解を得るために広報活動に取り組んでおりますが,一番効果のある方法は,市民に空港づくりそのものに参加してもらうことだと思います。他の空港でも,広く住民の協力体制がとられている例があります。例えば平成3年10月に開港した庄内空港での住民の協力体制のあり方が挙げられます。そこでは,東京,大阪へのジェット便誘致に向けて,開港前からチャーター便を想定したパック旅行を計画し,そのための資金を住民が積み立てるフライト預金という,住民参加による利用促進運動が積極的に展開されたと聞いております。  神戸空港では,どのような住民参加が可能でしょうか。乗客需要は十分見込めており,問題は建設費の確保であります。埋め立て事業であることから,外債の発行も検討されると聞いておりますが,市民の推進活動を推し進めるといった意味からも,市民ボンドの発行を検討してはいかがでしょうか。 3,000億円とも言われている建設費を賄うということは,到底あり得ないことであります。ただ,市民の資金を投入することによってできた空港となれば,より市民空港という色彩が出てくると思いますが,いかがでしょうか。  もちろん市民に債券を引き受けてもらうわけでありますから,今以上に空港の必要性を市民に理解してもらう必要があります。そういった意味から,効果的なPR活動として市民ボンドの発行を検討してはいかがでしょうか。  空港を整備する目的は何かと言えば,21世紀に向けた都市基盤の整備であり,活力あるまちづくりをつくっていくことであります。一般的に言われている2万 6,000人の雇用増や 5,000億とも言われている経済波及効果を考えると,一日も早い開港が望まれるのであります。エアロウエーブの議論の中でも指摘されたように,隣接市町への経済効果も大きいものがあり,期待もまた大きいと思われます。関西国際空港の建設に関して,空港株式会社に対し経済界と近畿の関連自治体が出資して事業の推進を図っている例もあります。神戸空港におきましても,大きな恩恵を受ける周辺の市町あるいは地元経済界に対し,何らかの協力を求めていくべきと思いますが,いかがでしょうか。  我々が以前から主張しておりますように,空港島への港湾施設の設置は多くのメリットがあります。1つは,空港島への海上アクセスが確保できることであります。1つは,港湾施設を整備することによって,空港島の建設費,連絡道路などが国庫補助の対象になり,財源対策ができることも挙げられます。1つは,世界の物流が,陸海空の単一手段による輸送から,シベリア・ランドブリッジに代表される複数の輸送手段を組み合わせた複合一貫輸送が主流となりつつあり,そのような中で世界的な貿易港である神戸港も,空港島に港湾施設を整備することによって,陸海空のマルチポートを目指すことができるということであります。そういった空港島への港湾施設と複合物流施設の導入は不可欠の要素であると考えております。  決算特別委員会での当局の答弁から考えても,淡路,明石,長田港からの海上アクセス基地として,港湾施設の導入について積極的に進めていると思います。これらを含めた空港島の基本計画を早期にまとめていくべきと思いますが,いかがでしょうか。  また,計画策定のめどをいつごろに置いておられるのか,あわせてお伺いいたします。  次に,マスタープランの改定に関連して数点お伺いいたします。  神戸のまちづくりは,現行のマスタープランの理念及び都市像に基づいて進められてきました。その計画性のあるまちづくりによって,神戸のまちは住みよい,魅力あるまちになりつつあるのは間違いありません。現計画の策定後,社会情勢を含め本市を取り巻く条件は大きく変化しております。高齢化社会の急速な進行も,計画策定時の予想をはるかに超えるものであったと思います。また,神戸空港の完成後の産業構造のあり方も視野に入っておりませんでした。そういった意味からいっても,マスタープランを改定すべきタイミングであると理解するものであります。  我々が市民の方に説明するときにいつも苦慮する点は,今度のマスタープランの目指す理念ないし都市像がどういうものになるかであります。改定するに当たっても人間を尊重し,生活を優先するという人間都市の理念は当然継承されるでありましょうし,都市像にいたしましても,従来の市民主体都市,国際情報都市などと全く違うものが出てくるはずもありません。  そうすると,今神戸市が進めようとしている,すべての人が住み続けたい,また訪れてみたくなる魅力あふれるまちを基本にしているアーバンリゾート都市と同じではないかと思うのであります。それならば,今回改定することによってマスタープランの目指すものはアーバンリゾート都市であると言うべきではないでしょうか。また,その方が市民の理解を得やすいと思うのでありますが,いかがでしょうか。  また,マスタープランの目指すものがアーバンリゾート都市と違うのであるというならば,その相違点を明らかにしていただきたいと思います。  マスタープランについてもう1点お伺いいたします。今回のマスタープランの特徴の1つは,区別計画の策定であると思います。区別のマスタープランをつくって,きめ細かな都市整備なりソフト施策の充実を図っていくということは,目標としては正しい方向であろうと言えると思います。  しかし,今の方向は,区民の信頼を裏切るような危険性をはらんでいるのでなはいかと心配するのであります。今,各区では住民の意向を聞くということで区民市政懇談会を開催しており,その中でまとまったものを冊子にして出しております。これらの委員の方々の努力は評価いたしますし,中身も盛りだくさんあると思うのでありますが,これらすべてをマスタープランの中に盛り込むことができるのでしょうか。また,盛り込めなかったとき,委員の方々の努力にどうこたえていかれるつもりでしょうか。  私は,こう考えるのであります。区別マスタープランといえども,全市のマスタープランと無関係であり得ず,市全体の絵をかく中で,それぞれの区のあるべき姿を示し,それに基づき各区でいろいろな角度から議論を深めていくものでないかと思うのであります。各区だけでプランを策定すると,結局どの区においても同じものを整備していくといった,画一的なプランになってしまうのではないかと思うのであります。やはりまず全市の姿を示し,それに適合する各区の特徴を生かしたまちづくりの姿を求めて,区民の方に議論を求めるべきだと思うのであります。今のやり方は順序が逆ではないでしょうか。そうでなければ,区民の努力を無にし,期待を裏切ることになるのではないでしょうか。そのあたりの考え方はいかがでしょうか,お伺いいたします。  次に,インナー対策についてお伺いいたします。昨日,田渕助役から一定のご答弁がありましたが,さらに突っ込んでお伺いいたします。  地元住民がインナー活性化の核として待ち望んでいた地下鉄海岸線は,事業免許の申請が行われ,4月中には免許取得の見込みと聞いております。今の計画でいくと,平成5年度中に着工し,10年度中に開業ということでありますが,解決すべき問題も山積していると言えます。  このプロジェクトの成功のかぎは,乗客の確保であります。活性化のためのリーディングプロジェクトを達成し,それによって乗客を確保するという説明をされるわけですが,収支のとれる13万人という乗客を確保するため,すべてのプロジェクトを平成10年度までに完成させることは果たして可能なのでしょうか。五位ノ池線の整備をはじめ決して簡単ではないと思います。仮に開業当初は無理であっても,何年かの後には各プロジェクトは達成できるというめどがあるのか,そのあたりを明らかにしていただきたいと思います。  さらに,交通事業者として,収入を上げるためあらゆる努力をするのは当然であると思いますが,すべてのプロジェクトが完成した場合,また完成しても当初の乗客が見込みどおりとならなかった場合,あるいは各プロジェクトがおくれた場合,財政的な点から交通局として何らかの対策を考えておられるのか,お伺いいたします。  次に,インナー対策に関連して1点お伺いいたします。  本市では4年度予算において,従来から我が会派が主張してきた,インナー地域に若い人を呼び戻す施策として若年世帯向けの住宅家賃補助制度を実施しました。これは従来の社会的弱者対策であった家賃補助制度を超えるものであると思います。高齢者問題は,裏を返せば若年者問題であると言えます。高齢化社会を支える若い人を神戸に引き寄せることも,また大事なことであると思うのであります。  若い夫婦が神戸に住んで本当によかった,本当に住みやすいまちだと思うには,家賃対策では十分であるとは思いません。住環境だけではなく,生活する上のあらゆる面で,安心して子供を育てられるような条件を整備することが求められているのであります。教育問題,保健・医療の問題,それこそ数え上げたら切りがありません。それらの不安を少しでも解消することに当局も努力すべきではないでしょうか。  今,日本では教育関係に非常にお金がかかるという状態があります。何も小中学校の塾にお金がかかるだけを言っているのではありません。幼稚園にしろ,私立に通っている子供に対しては就園助成を行っているではありませんか。親としては,子供の教育のためにできるだけのことをしたいというのは当たり前のことであります。  そこで,提案なのですが,神戸市独自の教育融資制度をつくってはどうでしょうか。高校,大学を対象とした奨学資金制度のように,限られた人だけが受けられるというようなものではなく,例えばインナー地域の幼稚園,小中学校に通う子供を持つ親に対し,必要なときに教育資金を融資することを考えるべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。融資条件もできるだけ緩いものとし,神戸に行けば子供の教育にも力を注げるということになれば,子供を産みたいという夫婦もふえることもあると思うのですが,いかがでしょうか。  最後に,組織の見直しについて1点お伺いいたします。  今回の予算の中で非常に評価できる施策の1つが,保健・福祉の総合相談窓口の設置であります。国との関係もあって,福祉事務所の仕事,保健所の仕事と分かれていたものを,窓口を一本化し,総合的な対応ができるようにするものであります。実現に向けては法制上の問題,関係団体との調整など課題も多いと思います。ぜひ成功させてほしいものだと考えております。このように従来は不可能であると考えられたことも,笹山市長の柔軟な発想によって可能になったのであります。  一方,経済は不況のどん底にあります。民間会社では人員整理や組織の改編も進められており,生き残るための必死の努力が続けられております。国においても,国土庁をはじめとして統合問題が議論されております。このようなときこそ,市の行政組織もいま一度原点に返って見直すべきではないでしょうか。新しい市民のニーズに対応するために,それにふさわしい組織をつくっていくことは当然必要なことであります。  しかし,一方そのときに,従来の組織を柔軟に改編していくことも考えていくべきではないでしょうか。今こそ小さな政府を目指すべきであり,そういう姿勢を打ち出すことが必要であると思いますが,いかがでしょうか。  以上です。  (「議長」の声あり) 45 ◯副議長(荻阪伸秀君) 笹山市長。 46 ◯市長(笹山幸俊君) 井川議員のご質問に私から数点お答えを申し上げます。  まず,神戸空港についてでございますが,この促進につきまして促進協議会というのができておりますが,これには各種の団体あるいは企業,公共団体も入って,皆さんのご尽力をいただいたわけでございます。特に議会,行政,経済界,それぞれの分野で推進運動をしていただいた結果,予定事業に入った経過がございます。そういうことで,今後ともこの計画を早期着手というところまで持っていくためには,なお一層のご尽力,ご協力をいただきたい,こう思っておりますし,兵庫県あるいは近隣の市町の皆さん方にもご協力をいただいて,積極的に推進をしていくということでお願いを申し上げたいと思っております。  また,建設の負担について,かねて兵庫県に対しましても助成をお願いしたい,こういうことも申し上げております。空港島その他この建設にかかわりましていろんな民活事業も入ってまいりますので,経済界の方々もそれに参画をしていただくということが必要な時代になっております。そういう意味で,やはり市民空港としての性格をはっきりしていくための努力を今後してまいりたい,こう思っております。  それから,マスタープランの関係でございますが,ご指摘がございましたように,このマスタープランのつくり方なんですけれども,今までつくってきた経過から申し上げますと,現在のマスタープランは,理念としてやはり人間都市であるべきだということが1つ大きな柱でございます。それに5つの都市像というのを掲げております。例えば市民主体あるいは環境あるいは福祉,市民文化,国際情報,そういったそれぞれの5つの都市像を掲げております。  今回,いろいろこの何々都市と,こういうことが言われておりまして,これをまとめて横断的に考えてアーバンリゾート都市と,こう言っておりますけれども,マスタープランとの関係を後ほど申し上げますけれども,この改定をするに至りました経過でございますけれども,もちろん世界の政治状況,経済状況がどんどん変わってまいりますし,市民の考え方もそれぞれ変化をしてき,また多様化しておりますんで,これに対応するようなマスタープランにしたい,こういうことでございますが,しかし新たな理念としては何か,こういうことなんです。  これは,やはり今申し上げましたような市民の考え方,生活様式,そういうものが変わるということが新たに入ってくるわけでございます。もちろん情報化社会に向けてのまちのつくり方も考えないけません。ということで,この中で人間都市という理念,それは継承していきます。これは当然のことでございます。それから,市民主体都市──5つの中で市民の主体的な都市ということを都市像の1つに掲げておりますが,これは発展をさせていくという考え方でございます。それから,先ほど申し上げましたように新たにやはり人の生活というもの,あるいは都市の活力を付加する,そういった仕事,こういうものを検討していく,こういうことで大体方向づけをさせていただいております。  ですから,アーバンリゾート都市というのは,こういった理念の中から,やはりマスタープランで新しいこういった理念でやっていくわけですが,これは行政分野ですね。役所の仕事の分野で分類をされておりますから,まあいえば縦割りになっております。縦割りの都市像になっております。ですから,これに対しましてアーバンリゾート都市というのは,これらのそれぞれの質を高めながら,それを横に考えるということでございます。横断的に考えると申し上げておるわけですが,そういうことでございますので,行政レベルの縦と,それから一般の都市像と言われる考え方の横の糸,こういうものが網の目になったような考え方でアーバンリゾート都市というものを考える,こういうことでございます。ですから,次のマスタープランの中の基本構想では,アーバンリゾート都市の考え方あるいは精神,そういったものを各分野に盛り込むということでございます。  ですから,基本計画では,じゃアーバンリゾート都市とは何かと言いましたら,いつも申し上げておりますが,例えばスポーツ都市とかファッション都市とかコンベンション都市とか,こういうものを横につないだものを申し上げておりますから,これは総合的な都市戦略──ちょっと難しい表現ですけれども,そういう考え方で位置づけをしたらどうか,こういうことでございます。  ですから,縦,横,十文字にいろんな都市像を掲げながら,要は神戸のまちをいろんな意味で質を,レベルを上げていくということがねらいでございますから,縦割りだけで仕事をやっていくということではなしに,横でつないでいくものはつなぐようなシステム,考え方,そういうものを今後ともとっていこうということでございます。  それから,この中の特徴としてご指摘がございました区別計画でございますが,確かにお話がございましたように順序が違うんではないか,こういうご指摘でございます。これは確かに今までは上位計画──国のやる現在あります四全総あるいは近畿圏整備法に言う計画,あるいは兵庫県の計画というのがございます。ですから,それの下に神戸市の計画というのがあるわけですが,一般的にはそういうようなラインになりますけれども,これは順次整合してないといけないというのが原則でございます。  ですから,今回も,上からずっと来ますと,細かい先ほどのアーバンリゾート都市というものを完成しようと思いましたら,網の目をうまく詰めていかないと,本当のアーバンリゾート都市あるいは神戸のマスタープランの中身がはっきりしてこないということになりますので,今回は地域から,いわゆる生活の場から一回出発してみたらどうか。何が問題があるだろうか──要は大きな計画になりますと,広域的なレベルでの話になってしまいますので,そうではなしに生活の場に根差した仕事は一体何か,こういうことから始めようということでございます。ですから,いろんなご意見が出てまいろうかと思いますし,調査することも大変なこともありますし,現状の課題なりあるいはそれぞれ地域の魅力,そういうものが一体何か,こういうことから掘り下げいったらどうかと思います。  ですから,この区別の計画の中で一番ねらっておりますのは,地域の特性に応じた細かいまちづくりをやるということが1つ,それから個性のあるまちをつくろうという,それからそのまちをつくるのに市民の皆さん方が直接地域で参加をしてもらう,こういう3つの目的といいますか目標を掲げておるわけです。ですから,これをやっていただくことが一番大事ではないか,こういうことでございます。ということで,全市のマスタープランとの整合というのは十分図っていく必要がございます。そういうことで,区別計画あるいは基本構想,基本計画というものは,マスタープランそのものを構成するものである,こういうぐあいに考えていただいたらどうかと思います。  平成5年度からこの具体的なそれぞれの地域別の意見もお伺いし,その中にはやはり区をまたがる問題,そういったことが出てまいりますから,これは市全体として調整をして整合性のあるようにする。全然道路でも食い違いになるような道路というのはおかしいわけでございますし,公園のつくり方も,隣接して何も例えば兵庫と長田にまたいでつくったらいいものを別々につくるという必要もない。こういう調整は当然やっていくつもりでございますんで,順序が違うというのも1つの考え方であったし,また今後それを逆にするのもまちづくりの方法の1つではないかな,こう思っております。いろいろとそういったご提案をいただきました。今後ともひとつ頑張ってやっていきたいと思います。ありがとうございました。  それでは,他につきましては助役等から答弁します。  (「議長」の声あり) 47 ◯副議長(荻阪伸秀君) 田渕助役。 48 ◯助役(田渕榮次君) 私から数点お答えを申し上げます。  まず,神戸空港の建設に当たりまして,市民ボンドを発行してはどうかというご提言だったと思いますけれども,ご案内のとおり,神戸市におきましては21世紀に向けまして,人,物,情報が交流する国際都市ということを目指しているわけでございます。そういう意味では,神戸に文化人なりあるいは経済人あるいは学者,いろんな各界各層の方々に集まっていただくといいますか,いろんな交流の機会を神戸でやっていただきたい,こういった目的があるわけでございまして,そのためには空港というのは不可欠の都市装置の1つであるというふうに考えております。  当然のことながら,この空港の実現のためには市民の皆さんの理解が必要であるというふうに考えております。特に日本の国内空港の庄内空港というお話がありましたけれども,そういった空港におきましては,飛行機を足がわりに使うというようなことで空港の利用率もまた上げようと,こういったことでさまざまな促進策といいますか,そういったものが図られているわけでございます。そういうことで,地域ぐるみで地方空港を育てていこうという気持ちのあらわれであろう,このように考えております。  神戸空港につきましても,今後市民の皆様方のご理解のもとに,新規事業として採択された際には,ご指摘の趣旨も踏まえまして,市民に空港づくりについてどのように参加していただけるか,今後検討をしていきたい,このように思います。  次に,空港についての基本計画にかかわるお話でありますけれども,空港島の中での港湾施設につきましては,空港施設の維持管理をするための業務用の船舶であるとか,あるいは官公庁用の船だまり,あるいはご指摘のありましたように明石あるいは淡路島あるいはその他の地域からの海上アクセス,さらには近く営業いたします海上バス,こういったさまざまな需要というものがあるわけでございまして,そういったことに対応していくということも当然考えられるわけでございます。また,将来的には人,物,情報の総合交流拠点,いわゆるシー・アンド・エア等の複合輸送への対応可能な施設に持っていく,こういったことも考えておくべきことであろうと思います。  現在のところは,空港島全体の整備計画につきまして,現在行っております空港本体の問題について,運輸省といろいろお話を進めさせていただいているわけでございます。そういうことで,新規事業に組み入れられた暁には,このような問題について関係省庁とも協議しながら計画の中に盛り込んでいったらどうか,このように考えております。  次に,地下鉄海岸線に関連いたしますプロジェクトの推進についてでございます。海岸線につきましては,ご案内のとおり,いわゆるインナー地域と言われる地域の活性化ということで,先生方のご協力のもとに19のリーディングプロジェクトといったものが策定されたわけでございます。  しかしながら,こういったプロジェクトを計画いたしましても,交通機関といいますか,こういった海岸線が先行しなければ,公共にしろ民間にしろ,なかなか前へ出ていけないというのが現実的な問題であるわけでございます。そういう意味で海岸線につきましては,先駆的事業といいますか,特にパイロットプランといいますか,そういった意味合いの強い事業であろう,このように考えております。そういうことで,平成5年中にはいろんな手続を済ませまして着工までこぎつけたい,10年には完成を目指したい,こういった考え方でパイロットプランとして努力をいたしているわけでございます。そういうことになれば,当然民間も含めたいろいろなプロジェクトが,この海岸線が呼び水となって活性化を図っていくんではないかというふうに期待をいたしているわけでございます。  当然のことながら,公共の方で考えておりますさまざまなプロジェクトにつきましても,こういった海岸線との整合性を図りながら,関係部局が協力してその推進に努力をしなければならない,こういったことでございます。そういうことで,できるだけ海岸線については早期に完成を図っていきたい。  ただ,ご指摘のように,神戸市のプロジェクトがうまくマッチしながら進行するかどうかといった危惧につきましては,ご指摘のとおりでありますけれども,ただいまご説明申し上げましたとおり,やはりこういった鉄道がさまざまなプロジェクトに先駆けて実施されていくということは,トータル的にインナー地域の活性化のためにはぜひとも必要であろう,このように考えておりますので,ご理解を賜りたい,このように思います。  それから,関連するわけでありますけれども,海岸線の財政計画について大丈夫かといったことでございます。海岸線の乗客需要につきましては,現在の居住者あるいは沿線企業への通勤者を中心にいたしまして,プロジェクトが完成した暁には乗客需要が見込めるというふうな考え方でございます。
     したがいまして,おくれますと,当然のことながら乗客が予定どおりというわけにはまいらないわけでありますけれども,ただ海岸線の収支見込みというのがございまして,運輸省の方では累積欠損金が30年以内に解消することができる,そういった1つのめどを持って事業の認可について判断をいたしているわけであります。そういう意味では,この海岸線の事業計画といいますか,財政計画につきましては,26年目に一応累積が解消する,こういった計画といいますかもくろみになっておるわけでございまして,30年というところから見ると若干の余力を持っているわけでございます。  しかしながら,やはりご指摘のありましたように,ただ単にこういった鉄道事業にのみ頼るということではなくて,鉄道としても附帯事業を当然興しながら,かつまた経費の削減等の努力をしながら,海岸線独自で収支を合わすといった努力を続けたいと思います。  なお,海岸線の開業いたす時期になりますれば,現在のいわゆる西神・山手線,この経営そのものが非常に軌道に乗ってまいるわけであります。そういう意味で,鉄道事業全体で見てみますと,一応健全で安定的な経営が維持できるんではないかというふうに考えております。  次に,組織の見直しについてでございますけれども,組織の再編につきましては,従前から神戸市の場合はスクラップ・アンド・ビルドということの方針のもとに,効率的かつ効果的な執行体制の実現に努めてまいったわけでありますけれども,ご指摘のように最近の日本経済の状況を見てみますと,極めて深刻な状況にあるわけでありますし,また民間企業におきましても非常に厳しい組織の見直しが行われておるわけでございます。神戸市におきましても,ご案内のとおり法人市民税が大幅な減収といった状況にございます。そういうことで,神戸市におきましても,厳しい行財政運営がなされておるわけでございます。  しかしながら,一方では,福祉,保健,医療,こういった問題やらあるいは環境問題とか,そしてまた新たな将来に向かっての行政課題,こういった施策につきましても積極的に取り組んでいく必要があるわけでございます。こういった中で,今後とも組織の充実強化を図りますとともに,組織のあり方の原点に立ち返りまして,見直すべきものは見直すスクラップ・アンド・ビルドの方針に立ち返りまして,従前にも増して徹底し,効率的な執行体制を固めて対応してまいりたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 49 ◯副議長(荻阪伸秀君) 福尾教育長。 50 ◯教育長(福尾重信君) インナー対策としての教育融資制度のご提言につきまして,ご答弁申し上げます。  ご案内のとおりでございますが,神戸市におきましては,ただいま学齢の幼児,生徒,児童等を持ちます親の所得に応じまして,幼稚園につきましては保育料の減免並びに就園奨励助成,小学校・中学校の児童・生徒には就学援助,高等学校の生徒に対しては授業料の減免並びに奨学金の支給,こういったことを制度として実施いたしておりまして,保護者の教育費の負担を軽減いたしておるところでございます。  で,ご提言がございましたところですが,市民が住居の位置を選択いたしますのは,必ずしも経済的な理由だけではないとは存じておるんでございますが,その中で地域を限定した教育補助といいますか融資制度,そういったものが,ご提言の制度は教育の機会均衡等の観念になじむものかどうか,やや疑念を感じるところがございますので,研究はさせていただきたいとは思っておりますが,いますぐにということはどうかなという感じを持っております。  なお,インナー対策といたしまして,教育委員会としては何をしているかといいますと,地域内の学校施設の改修整備を積極的に進めるほか,学校再開発によりまして教育環境の充実を図っております。インナー地域におきます魅力づくりをこういった点でも精力的に行いまして,安心して子供の教育ができるまちにつくり直していくということに力を入れているところでございます。  ご提言の点につきましては,先ほど申し上げたようなことで,少しく課題とさせていただきたいと存じます。  以上でございます。  (「議長15番」の声あり) 51 ◯副議長(荻阪伸秀君) 15番井川弘光君。 52 ◯15番(井川弘光君) 今,市長,助役並びに関係局長のご答弁を聞きまして,空港の問題にいたしましても,またマスタープランの問題にしても,もう少し突っ込んだご答弁がちょうだいできると,正直言ったところそう思っておりました。いずれにしましても,今後開かれる特別委員会の中で問題点を明らかにしてまいりたいと考えております。  以上で質問を終わります。 53 ◯副議長(荻阪伸秀君) 次に,4番佐藤けん一郎君。  (4番佐藤けん一郎君登壇) 54 ◯4番(佐藤けん一郎君) 私は,神戸空港,固定資産税,公債費の3点について質問をいたします。  まず,神戸空港であります。  市長は,昨日,前任議員の質問に答えられて,「関西新空港の飛行ルート,空域管制が昨年末に決まったので,今度は神戸空港の空域管制を運輸省は検討をしてくれる番だ。」と,こういうご答弁をされたわけでありますが,私はこれは事実誤認,適切を欠くご答弁ではないかというふうに思うわけであります。  と申しますのは,大体空域管制というのは飛行場管制,それから進入管制,そして航空路管制との3つから成っているわけでありまして,神戸空港が6空整に組み入れられたときにおける空域管制というのは,特に進入管制について問題とされているわけであります。  これはご承知のように神戸空港を想定されている位置からしますと,空域管制,特に進入管制区という区域があるわけですけれども,ここに大阪進入管制区──これは日本に進入管制区というのは全部で30あるわけですが,この大阪進入管制区の図面がありますけれども,神戸空港は完全に伊丹と関空との進入管制区と重なるわけであります。それだけではありません。神戸は西にありますから,徳島飛行場の進入管制区とも淡路島の南半分は完全に重なる,こういう状況にあるわけでありますから,よほど進入については検討しなきゃならないぞと,問題があるぞと,こういうことであったわけであります。  この進入管制というのは,ご承知のように空港にある進入管制センターでコントロールをしているわけでありまして,ここを中心として狭いところでも50キロ,広いところは 180キロぐらいの範囲が進入管制区としてコントロールの下に入っているわけでありまして,この中において空港から出ていく,あるいは空港に入ってくるその高度,それから角度,それから時間的な割り振り,進入する順番,そういうものを検討するのが進入管制区の業務であります。  昨年の末に運輸省が関空の飛行ルートすなわち空域管制を決める作業をされたわけですが,これはどの地域から,どこの国から,何便関西に入ってくるかということが──これは入ってくるということは運輸省の免許業務でありますから,この免許申請の事前的な調査の中で明確になってきた,こういうことで運輸省はその作業に入ったわけであります。どこの地域から何便来るか,これが決まらなければこの空域管制,特に進入管制の作業には入れないわけであります。  例えば神戸空港と同じ第6次空港整備計画に組み入れをされました静岡空港あるいは琵琶湖空港,このどちらもそれぞれどこから,どの規模の飛行機が何便来るかということも含めて運輸省と調整をしているわけであります。情報公開をされておりますから,私もこれを知ることができたんですが,例えば静岡は,札幌,福岡,小松,広島,長崎,沖縄──那覇,この6空港からエアバスが4便,中型ジェットが18便,総計38便が来ますと,こう決めているわけです。これで初めて航路の決定それから進入管制,特に静岡は近くに防衛庁の静浜飛行場がありますので,この進入管制区とも調整をしなきゃならない,こういう調整が初めて作業として可能な問題として机上に上がってくるわけであります。  これに比べて神戸空港──これはちゃんとやっているんですよと言ったって,私らは何にも聞いていないわけですね。情報公開もしていない。神戸空港の場合には確定をしていないというふうに判断をせざるを得ないわけであります。  したがって,笹山市長,昨日「今度は神戸空港の空域管制が課題になっているんです。」と言ったって,課題にも何にもネタを出していないんですから,運輸省は料理のしようがないんじゃないんですか。私は,「今度はうちの順番です。」とおっしゃられたのは全く事実に対する──事情に対する認識を欠かれたご発言でありまして,先ほども空港促進の同僚議員からのお話があったわけですけれども,いたずらに市民に期待を持たせて惑わすものではないかというふうに思うわけであります。私は,ご答弁のご修正を賜りたい,このように存ずるわけであります。  質問の次は,それではいつごろ神戸空港の空域管制が検討の時期になるんだろうかと,こういうことでありますが,これは私は非常に難しいと思うのであります。ご承知のようにただいま伊丹と関空との2つの空港が便数の振り分けをしております。なかなか伊丹は航空会社にとっても,おりやすい飛行場のようでありまして,関空には行きたがらない。関空は国際便90,これは大方埋まったようであります。現在の伊丹から28便行って,待機中のものが入ってきますから,これは大体埋まったようですけれども,国内便については一向に人気が沸かない。それで,伊丹から50離発着分,いわゆる 100便と言った方がいいんですが, 100便をこっちに回そう。それで,伊丹は現在ジェットは 300便入っているわけですね。 200便だけど,関空がオープンするまでは 300便ということで 300便入っている。そのうちの 100便を持ってくる。これに対して伊丹商工会議所は,困りますと,減らさんでください,現在の伊丹の実績 370便はどうしても置いてほしい。これは当然であります。飛行機が1回おりれば,たしかDC10で46万 8,000円ですか,離発着料が入るわけです。これが空港整備特別会計に入って,そして大阪空港の場合には平成2年の実績で 100億円,平成4年で 150億円も周辺市に対して補助金が出ているわけですから,便数は減らさないでほしい,こういうことを経済界から申し入れが出ている。  こういうことで,まあまあそう言うな, 100便はこっちへ回してもらうけれども,まだまだふえるでしょう。ふえる分については── 300便から 200便に, 100便に減ったわけですけれども,その 200便に対してまた埋めたらいいじゃないかと,こういう調整をしているように仄聞をしているわけであります。  こういう状況を考えますと,ご承知のように関空は24時間体制でありますから,貨物便も含めてかなりキャパシティーがある。しかも,全体構想の問題も出てきている。こういうことを考えますと,大体大阪の進入管制区は 100キロの範囲でございまして,この範囲の中での空域管制の技術的な,物理的な限界の中で,私はこの伊丹と──伊丹はもうやっぱり 370便はどうしたって放しませんと言っているわけですからね。それで関西空港24時間,これでこの空域がいっぱいになるんじゃないか,こういう懸念があるわけです。  そうなると回って来ないんじゃないのかなと──どんどん需要はふえる,ふえたものはどんどん伊丹と関空に入っていく,そのうちに進入管制区としては満杯になるというようなこともあり得るんじゃないか,こういう懸念から,そういうことも含めて,いつごろ空域管制の検討に入れるのか,その辺のお考えをお尋ねしたいと思うのであります。  空港の質問の第3番目は,環境問題であります。これにつきましても笹山市長は,昨日,前任議員の質疑にお答えになられて,「環境庁も次第に理解を示しつつある状態である。」と,こう言われたわけであります。まあ多少遠慮しながらなんです。しつつある──理解を示しつつある状態にありますと,しかし本当にそうでしょうか。私は,実は環境庁の瀬戸内環境保全室とかいう職制がございまして,そこの統括副室長に問い合わせをいたしました。副室長いわく,「理解を示すなんてとんでもありませんよ,佐藤市会議員さん。」と,こういうわけであります。「瀬戸内の埋め立ては厳しく抑制をされるべきものであります。これは瀬戸内環境保全特別措置法並びに基本計画等で規定をされております。これを許可するのはよっぽどのことがなければいけません。神戸市さんにその辺の必要性,公共性についてご返事を賜りたい,検討の結果を教えていただきたい,こういうふうにお願いをしているんですが,一向に答えが出てこない。お待ちしているんですけれども,真っ当な返事がいただけないんですよ。佐藤さんもよろしくお願いしますよ。」と,こういうようなお話であります。  全く理解を示すどころか,環境庁のヒアリングに対してもまじめにお答えしていない状態だというふうに環境庁の方は理解をしていらっしゃるわけであります。甚だ遺憾な話でございまして,これは市長がお答えになったのは,下からのご報告が悪いのかよくわかりませんけれども,この辺についてもいま一度しっかりとしたご説明を賜りたいというふうに思うわけであります。  次は,海上交通との調整でございます。これについても昨日市長は,「専門家それから神戸海運監理部ですか,あるいは安全面を担当しているのは神戸の第5管区海上保安本部ということになるんでしょうか。その辺も参加をした委員会で,大体いいじゃないか,こういうことになったんだ。」と,こういうお話でした。これについても私は,ちょっと素直にはお聞きできないのであります。  神戸海運監理部の方は,これは航路の問題ですから,神戸港には3つ入る航路があるわけで,そのうちの1つを閉鎖せざるを得なくなるわけですね。したがって,あと2つ残る方を広げるということで,これは業務上といいますか,ボリュームですから,定量的に広げて通ればいいということになるだろうと思うんですけれども,安全の問題は不測なんですよ。はかれないわけです。この間もセメント船が衝突して沈没しました。すぐこの間近でしょう。安全の問題について私は,そう簡単に第5管区海上保安本部がわかりましたと,了承したとは思えないのであります。市長さんは,私の聞き間違いかもしれませんけれども,「3月か4月には文書でのまとめも出ます。」と,こういうお話でございますが,この辺についてもう一度,安全面の方の担当官庁である海上保安本部とは,一体どういうことが問題になり,どういうご意見が向こうから出て,宿題を賜っているのか,ご説明をいただきたい,このように思うわけであります。  次は,費用の問題であります。なるべく市民に負担はかけないようにしたいと,こういうお話でございましたけれども,ご承知のように神戸空港は第3種空港です。第3種にもいろいろあります。離島関連の第3種,それから北海道,沖縄,奄美,こういうところはそれは満額補助が出るんですよね。満額負担が出るわけです。少なくとも75%,多い場合は 100%出るわけです。ところが,私どもの方はそういう特別法の保護がない一般第3種空港でありますから,基本施設でさえ50%,附帯施設は50%まで出ないこともあり得ますよという,こういう話の中での 2,800億円という,あるいは 3,000億円というお話が田渕さんからも,きょうですか,きのうですか,出ましたけれども,大変な話であります。  ご承知のように関空,大阪府はりんくうタウンを造成してお客さんが入らなくて,片方にまとめて,北か南か忘れましたけれども,片方を閉鎖せざるを得ない。しかし,造成はしたんですから, 2,000億円という支払いをせないかん。金が寄らないから,結局一般会計から負担をせざるを得ない。府民の負担になるわけです。こういうことも出ているわけでありますから,私はこれは本当に慎重にやっていただかなきゃならないというふうに思うわけであります。それには採算性,あるいはどこからどれだけ飛行機が来るかという,もちろんお客さんがどれだけつくかということを総合的にご判断をしていただかなきゃならないわけでありまして,これらについてどのようにお考えなのか,お答えをいただきたいと思います。  空港の最後は,空港関係の情報公開の問題であります。笹山市長は,公害のない安全な市民空港を目指しておられるわけでありますけれども,それなら空港と言えば騒音公害はつきものですよね。伊丹空港でも既に 6,000億円そういう多額の金が出ているわけですから,公害のない空港,それには市民の皆さんに情報を公開してご意見をいただいて,そして徹底的に論議をして──もう6空整に入ってから1年以上たっているわけですね。徹底的に論議をしていただいて,そして合意をしていただく,あるいは合意をしていただけない部分もあるかもしれない。その問題はその問題としてちゃんと少数の方々の意見としてはっきり明記をして,知事会で検討するなり,そういう手続をとらなければならないのにもかかわらず,その一番スタートの情報公開をしていない。肝心の例えば「空域の問題についてどうなっているんですか。」と言っても,「絶対これは言えません。」,「なぜ言えないか。」,「下手に言ったら混乱します。」と──混乱をするからこそ情報公開の必要があるんですよ。  この間の関空の海上ルート,陸上ルートの問題もそうでしょう。当初は昭和56年ですか,海上ルートでやりますよと言って,やはりいろんなキャパシティーの問題やら何か,それこそ空域管制の問題でやはり同じ空路を何回も通るわけにいかんからいうて,こうしたらどうかとか,これに対してはみんないろんな意見を出した。その結果,やはり海上ルートになったわけですね。それが市民合意の市民空港の市民空港たるゆえんだと思いますね。株式会社関空──経営上,採算上,課題を与えられているところでさえこういう手続を踏んでいるわけですから,神戸空港はぜひとも情報についてはすべて公開をすべきである。市民団体の方々はお怒りになって訴訟まで起こしているというじゃないですか。そんなみっともないことをして何が市民空港かということになるわけですから,ひとつ情報は十二分に公開をしていただきたいと思うんですが,この点についてご意見を賜りたいというふうに思うわけであります。 55 ◯副議長(荻阪伸秀君) 佐藤けん一郎議員に申し上げます。  既に予定時間のうち,質疑でかなり使われておりますので,答弁の時間が必要ですから,できるだけ簡略に願います。 56 ◯4番(佐藤けん一郎君) はい,承知をいたしました。あと,固定資産税と公債費が残っているわけですが,簡単にやります。  固定資産税は,平成5年度も多額のものが 1,091億 9,600余万円を計上されて,平成4年に比べて67億円のアップであります。多額の上昇をしているわけであります。これはさきの市会で私は,「神戸は固定資産税が高過ぎる。」と言ったら,前野経理局長は──私は54年と平成3年を比べたんですが,前野経理局長は「昭和54年は平米当たり 124円でした。平成3年は 218円でした。 1.75 倍で,佐藤議員が言うような 2.2倍も上がっていません。」と,こうおっしゃったわけですね。これは総平均ですよね。昭和54年には,たしか 4,000万平米か何かあったんでしょう。平成3年が 4,800万平米で 800万平米も新しいものがふえているわけですよ。違うものが入ってきているんですから,そんなもん平均したって比較にならんわけです。やはり私が言いましたように,灘区五毛通の具体的な数値を私は上げたわけですよ。あの税金は──あなたはすぐ負担調整率ということを言うから,前野さんは。私は負担調整率を含めて3年合計しました。昭和54年の3年間の合計の固定資産税4万 9,290円です。昭和54年,55年,56年は。それに対して平成3年,4年,5年──5年はまだですけれども,これは 7.5%の調整率を掛けたら機械的に出てくるわけですから,これをしますと9万 8,980円,あと2回,6年と7年負担調整率を掛けることになっているんですからね,31%も上がっているんですから。だから,3年間の負担調整率 7.5を掛けただけでももう2倍を超えているわけです。この点についてどうお考えなのか,ご返事をいただきたい。  それから,公債費です。神戸市は公債費──公債費と難しい言葉ですが,簡単に言えば借金ですね。借金が大きい。政令指定都市の中でトップであります。今年度も 2,447億円の金利と元金を払うんでしょう。そのうち 998億円が金利ですよ。多大なものを払っている。私は金利だけを計算したんですよ。これは他の都市は平成5年度の数字はありませんから,私は他の都市のも見ましたから,平成3年の決算で見たんですけれども,神戸は市民1人当たり金利5万 9,000円払っている。横浜は2万 8,000円ですよ。そしたら,「いやいや神戸は小学校なんかを建てていますから……。」て,横浜にも小学校建てていますよ。本当ですよ。間違いない。学校の数を言いますか。ちゃんと建っている。しかも,私が計算したら,横浜よりも神戸は人口の割合で言っても,小学校と中学校でたしか17校かな,多いんですよ。多いということは,人口がどんどんふえてどこも満杯かといったら,私の住んでいる須磨区の南の方なんか,みんながらがら,千歳もがらがら,若宮もがらがら,隣の長田も同じようですね。したがって,私はまちづくりが間違っているんじゃないのと言いたいですね。こういう点をよく考えていただいて,公債費についてもう1つ当局のお考えあるいはご反省をいただきたい,このように思うわけであります。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。  (「議長」の声あり) 57 ◯副議長(荻阪伸秀君) この際,当局に申し上げますが,質疑に予定されております時間があと6分となっております。答弁は簡潔明快にお願いいたします。  前野理財局長。 58 ◯理財局長(前野保夫君) 固定資産税と公債費について,私からお答え申し上げます。  まず初めに,私は経理局長ではございません。理財局長でございます。  固定資産税でございますが,前回ご説明いたしましたのは,神戸市全体の傾向をご理解していただきたいということで平米単価で申し上げたわけでございます。面積がふえておるのは当然のことでございます。なお,ふえておりましても,全体の傾向に影響を及ぼさないというふうに考えております。  次に,公債費でございますが,公債費は学校だけではございません。道路,公園,住宅,上下水道,いろんな公共施設を整備してございます。そういうことで神戸市は,より快適な市民生活を保障する上でこれらを整備することに積極的に意を注いだということでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 59 ◯副議長(荻阪伸秀君) 脇港湾局長。 60 ◯港湾局長(脇 茂行君) 神戸空港につきましてお答え申し上げます。  神戸空港は平成3年11月に,第6次空港整備5箇年計画に予定事業として位置づけられております。新規事業組み入れに向かっての課題が示されておるわけでございます。その後,各課題の解決の見通しを立てるためにいろいろな調査を実施して関係省庁との協議を鋭意進めているところでございます。  具体的には先ほどお話のございました空域につきまして,ことし1月末に関西国際空港の開港時の飛行経路が正式に決定されたところでございます。これを受けまして,神戸空港の飛行経路につきましても,国の専管事項でございますが,検討されると考えております。  また,瀬戸内法との適合性につきましても,既に環境庁に対しまして神戸空港の環境保全の考え方を説明しておりまして,現段階で我々の方といたしましてはおおむね理解が進みつつあると考えております。  それから,海上交通につきましては,昨年5月に学識経験者,海事関係者それから行政機関から成ります神戸空港に係る海上交通問題検討委員会を設置いたしまして,検討を行った結果,基本的な航行安全対策が取り得るという判断が出たわけでございます。これについての最終のまとめについては,間もなく出てくるという段階でございます。  それから,費用負担につきましては,いろいろ補助対象事業等につきまして運輸省に説明を行っておりますが,空港が都市全体にいろいろな効果をもたらすことも踏まえまして,事業手法の創意工夫を図って,具体的な財政計画を検討してまいりたいと思っております。  以上によりまして課題解決の見通しを立てまして,今後早急に運輸省内の航空整備計画検討委員会において,新規事業の組み入れを求めてお願いをしてまいりたい,そういうふうに思っております。  以上でございます。  (「情報公開については。」の声あり) 61 ◯副議長(荻阪伸秀君) 情報公開の問題については,いかがですか。  (「議長」の声あり) 62 ◯副議長(荻阪伸秀君) 脇港湾局長。 63 ◯港湾局長(脇 茂行君) 情報公開につきましては,まず飛行経路の設定についてでございますけれども,環境アセスメント上,兵庫県・神戸市が地元なりに設定をしたものでございまして,いわゆる意思形成過程の情報というふうなことで,現在非公開処分という状況になっております。  これにつきましては,さらにいろいろな段階で明確になりましたら,速やかに市民に公表してまいりたい,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長4番」の声あり) 64 ◯副議長(荻阪伸秀君) 4番佐藤けん一郎君。 65 ◯4番(佐藤けん一郎君) 局長のご答弁はお聞きしたわけですけれども,市長のご答弁がないわけです。市長が昨日されたご答弁について,私は質問をしているんですから,市長のご答弁を求めます。議事運営です。 66 ◯副議長(荻阪伸秀君) 佐藤議員に申し上げます。  答弁につきましては,その質問に対してふさわしい議場出席者が行うことが適切であり,所管局長が答弁をすることは問題はないと考えております。  (「議長4番」の声あり) 67 ◯副議長(荻阪伸秀君) 4番佐藤けん一郎君。 68 ◯4番(佐藤けん一郎君) 時間も過ぎておりますので,答弁については,私は納得しているわけではございませんけれども,また別の機会に私の意見を申し上げることにして,質問を終わらせていただきます。 69 ◯副議長(荻阪伸秀君) 以上で質疑は終了いたしました。  この際お諮りいたします。  ただいま議題となっております平成5年度神戸市各会計予算並びに関連議案合計50議案は,正副議長を除く議員69名をもって構成する予算特別委員会を設置し,これに審査方を付託いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 70 ◯副議長(荻阪伸秀君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 71 ◯副議長(荻阪伸秀君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  この際申し上げます。  この後,直ちに予算特別委員会を開会いたしますから,委員の方は28階第4委員会室にお集まり願います。  本日はこれをもって散会いたします。   (午後3時50分散会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. 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